「SEKAI NO OWARIの抱えてる闇は本当に深いんだよね」って言う人がいたけれど、本当に深い闇って他人が知る由なくないですか。
前に、MUSICAっていう音楽雑誌の編集長をしている有泉さんという方とお話した際に
「Fukaseの抱えてる闇は本当に深いんだよね」
と仰られていたんですけど、タイトル通り、本当に深い闇って他人が知る由なくないですか?人に知られた瞬間浅くなりますよね、闇。実にパラドックス。ていうかそもそもからして
「闇が深い」
って言葉が浅い。浅くない?二度と言うんじゃないよ。存在矛盾で対消滅してくれ。
それはともかく、変なバンドだよこれ。セカオワ。こんなに売り上げに対してミュージシャンほか音楽業種のみなさんからの総評が反比例しているバンド他にないんじゃないか。
売れてる人を大声で批判するのはなんだか格好のつかないことなので誰もやりたがらないけど、確かにセカオワに対して「なんだかな…」「どうなんだろうな…」「興味わかないな…」みたいな空気感が実在している。
でもそれって妬み嫉みからくるネガティブイメージじゃなくて、他の売れているバンドに対してはみんな
「やっぱり実力も理由もあるから売れている」
っていう風に捉えてるよう。でもなぜかセカオワだけその逆のムード。何故だろう。
自分に関係ないのになんか気に障るものってありますよね。あれは一体なんなんでしょう。もういちいち真剣にSEKAI NO OWARIについて考えを述べるのも野暮かな?と、ひと記事にしてセカオワについて考えたことなかったんだけれど、今回はこれを機にちゃんとセカオワについて考えてみようかと思います。ダサくてもちゃんと批判してみようかと思います。
ヒットチューンに良いところが全くない
さすがにメジャーレーベルの手が入って編曲はちゃんとしてるんだけれど、それにしても曲が悪いと思います。悪い。
この曲、新しい要素も工夫した点も全く耳に聴こえないというか、耳障りが童謡。
コード進行は基本的に3コードで進行していて、とっても平坦な印象なんだけれどその上に乗ってるメロディも8分で上り下りを繰り返すごくごくシンプルなメロディ。シンプルっていうのはだいぶ気を使ったもの言いで、オブラートを剥がすならクソメロ。クソタルい。子守歌か星に願いをなんかでしか聴けない人間をめちゃくちゃ眠くさせる催眠メロディ。
3コードの上にこのメロディっていうのは豆腐の上豆乳かけるようなもんで素材の味がすごいイソフラボン。食えたもんじゃない。無味って拷問ですからね。
ただ冒頭で述べたように、編曲はしっかりしてる。ちゃんとJPOPになっている。けども、その点に関してはメンバーだけの力じゃなくて企業パワーモリモリなのでなんかそこもちゃんと褒めづらい。
たぶんこの曲ってコールドプレイのViva la vidaをやりたかんだろうなと。
ティンパニーのリズムを中心に曲を進行させるところとことか、ストーリー仕立ての歌詞とか似通ってる部分は多いんだけれど、上の
「豆腐の豆乳ソース、大豆仕立て」
みたいな曲の根幹が台無しにしている。あとさっき「ちゃんとしてる」と言っていた編曲もゴージャスすぎて裏目になっている。逆にチープ。
世界観がマジで24時間テレビ。愛で地球より先に俺を救えよ。
曲の内容はベジタリアン的な内容なんですけども
「いのちをだいじにね!」
なんていう小2の道徳みたいな内容はちょっと共感できる精神年齢のレンジが狭すぎると僕ァ思いますよ。ベジタリアン的思想ってキリないッスからね。
だから
「バカだなあこいつ気持ち悪ー」
みたいなことじゃなくて、このfukaseって人間は遠目から見る限り本当にピュアで真面目で愚直な人に映るんですよね。良い人なんだろうと。
たぶん、戦争反対とか世界平和とかウシさんかわいそうとか、本気で思ってるんだろうなと。考え方の軸が全く相いれないから気味が悪い。怖い。っていう感じ。
人間が違いすぎる
マジで宗教にハマってしまう人とか。貯金もないのに義援金送っちゃう人とか。動物愛護団体に足突っ込んじゃう人とか。このSEKAI NO OWARIって集団(ナカジンとDJ LOVEは知らんけど)とファンって、人間としての考えの軸が本当に遠すぎる。善人過ぎる。この軸の遠さがSEKAI NO OWARIに対する拒絶反応なんじゃないかと。
「デビューシングルはfukaseとsaoriが中絶した内容なんだよね」
ぼかされて明言されているので真偽はともかくとして、そう話を訊いて
『ああこの人ら、本気でこれが供養になるとか思ってんだろうな』
と人間距離のあまりの遠さにクラついて吐き気が。これが「闇が深い」ってことなら俺は浅くていいです本当に。
音楽性はさっき言ったように根幹が毎度拙いんだけれど、それよりもなによりも人間性が宗教家に向いているとおもうんですよね。本気で自己陶酔してる奴の眼をしてるもん。
闇が深い闇が深いってファンが騒いでる内容も、イジメとか不登校とか、生きてりゃ誰だってあるような軽い蹴つまずきだと俺なんかは思っちゃうんだけれど、ファンと本人たちは本気で
「超ドラマチックで深い闇がこれです。僕らが人生の主人公です」
ぐらいに思ってる面構えをしてるのが俺は怖い。本気だもん。ミセスグリーンアップルみたいな人を騙す宗教家の眼じゃなくて、自分も本気で理想を信じてるタイプの宗教家の眼。俺はSEKAI NO OWARIの一番深い闇ってこの部分だと思うよ。
だから俺みたいなひねくれ者からしたら死ぬほど薄っぺらい内容も言動も本気で深い闇だと思って掲げるし、それに似た周波数の、上に書いたような善人のみなさんを引き寄せるんでしょう。そんで俺らみたいなイジワルな奴らを遠ざけるんだと思います。なんか近寄れない電波出てるよね。
繰り返すけど、本当に深い闇なんて他人が知る由もないし俺は彼らのスタンス、人間性、音楽、全部苦手だけれど、24時間テレビで本気で泣けるような人たちには刺さる内容なんでしょう。
でもやっぱり、俺は無理。曲良くないもん。
それでは。