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今日本で一番先進的な音楽、"Tempalay"を聴き逃すな

 スポーツで例えるとですね、野球、サッカー、テニス、バスケ、様々な種目がある中で

「俺はテニスが好きでフェデラーが最強だと思うんだ!」

 みたいな話をしたいのにですね、こういうこと言ってくる奴がいるんですよ

「トップメジャーリーガーの年俸に比べたらカス。マイナースポーツはベースボール様に逆らうんじゃねえよ」

 これを音楽の話に落とし込むと、野球とカバディぐらい離れたルールでやってる音楽を、オリコンチャートだとかセールスランキングだとかで比較するのが正義だ。的な風潮がありまして。

 CDショップみたいな小売りはもちろん経営の為に売れるモノを売り出しますし、メディアはお金を持ってるアーティストをプッシュするわけで、そういうサイクルがどんどん売れる音楽と売れない音楽の格差を開いていくわけなんですけど、そりゃちょっと消費者を舐めすぎてないかと思うんです俺は。

 タイトルのTempalayというバンドはどう考えても音楽で言う、野球やサッカーみたいなメジャースポーツじゃなくって、例えるなら小学校のお昼休みにみんながドッジボールとかをやってる横で

「俺新しいルールのスポーツ思いついたんだよ!」

 みたいなこと言い出す変な奴。いたじゃないですか。アレです。Tempalay小原綾斗はまさしくアレ。小学21年生。神童です。

 日本の音楽って、どうしてもルールに縛られがちで、決まったコード進行が好まれるとか、AメロBメロサビっていう並びが必ずあるとか、よく聴かれるメジャー音楽ってどうしてもそういう構造の縛りがあるんだけれど、Tempalayはそういう部分基本無視。このOh.My.God!!なんかはTempalayの楽曲の中でもかなりポップな方だけれどそれでも一筋縄でいかない構造をしている。

 そりゃ、上で言ったようなルールを遵守すれば、基本的には聴かれやすい、人気の出やすい音楽に仕上がるんだけれど、それこそそれはスポーツでいう所の野球。野球選手の中にも良い選手、良くない選手、色々あるけれどそれはどこまで行っても野球であって、野球からは野球の面白さ、すごさしか生まれないわけじゃないですか。

 そういう王道の中で頂点に上り詰めるアーティストももちろん偉大だしかっこいいんだけれど、それだけじゃもったいなくないですか。

 

 最近公開されたMVなんだけれど、これなんか「野球より面白いスポーツついに作っちゃったなこの人…」っていう感じ。

 この例えのまま話を進めるなら、今あまり隆盛にないブルースみたいな音楽は、スポーツで言うならそれこそセパタクローみたいなもんで、マイナーでもちゃんと誰かが作ったルールがあって、そこに乗っかることでそのジャンルとして定義されるわけなんだけど、さっきから言ってるようにTempalayはマジでルールがない。ジャンルに名前をつけるにもTempalayと言う他にないし、ほかにこういう音楽をやっている人間がいない。

 音楽は芸術って範疇にくくられがちだけれど、全然そんなことはなくって、そのほとんどは決まったルールの中で最高得点を出すフィギュアスケートのようなスポーツに近いコンテンツだと俺は思っていて。新しい発明があったとしても精々新しい変化球を思いつくとかその程度(それも十分すぎるほどに偉業だが)のことだと。

 対して、Tempalayがやっていることは完全に芸術作品で、毎作品あたらしい価値観を提示してくる。そういう音楽。とにかく「聴いて気持ちいい」という一点のみ。消費者が求めるモノを作るわけでもなし、だからルールに縛られる必要もなし。

 この"どうしよう"はその極地で、展開も構成もめちゃめちゃなのに何故か気持ちよく聴こえてしまう。着実に人気を高めてきたTempalayの大爆発を巻き起こす着火剤になるような傑作。

 映像も良い。King Gnuの常田大希が所属するクリエイティブレーベルPERIMETRON制作なんだけれど、映像も込みで「他にはあり得ないな」という仕上がり。King GnuとTempalayがPERIMETRONを連絡船にしてシーンの爆心地になりそうな、展開的にもアツいタッグが組まれている。

 

 こんなかっこいいバンドを捕まえてやれ「マイナースポーツだ」「異端だ」といったようなこと言ってきましたけど、もう数年前から十分すぎるほど人気で、この方面では人気も実力も彼らに敵うバンドなんかいないんじゃないかというほどに熱は高まってきている。

 ここで紹介した楽曲はTempalayの中でもかなりポップなもので、アルバムなんかを急に聴いたら面食らうかもしれないけれど、聴けば聴くほど「なるほど」となる魔法のかかった音楽ですんで是非、安心して面食らってください。

 来年にはどうなっているかわからないバンドです。是非今聴き逃さないよう宜しくお願い致します。

 それでは。

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