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2016/07/16

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xvideoで知った kosheen 

音楽との出会いは唐突である。
携帯電話のアラームがけたたましく鳴り響く中、私はおもむろに立ち上がった。
私も若いので確かに勃ち上がってもいたが、そういうことではない。
知人の太田君からのLINEである。
『これ、なんて曲かわかる?』

張られたURLには見慣れたyoutuの文字はなくxvideos.comの文字が燦然と、そして煌々と輝いていた。

まだ脳の歯車が正常に稼働していないスリーピーヘッドな私にもわかった。
ははーん。太田君、夜な夜な見ていた動画のURLを間違えて送ってきたな。と。

太田君オススメの女優で賢者になった後、『これで僕らも穴兄弟、マリオブラザーズだね。』と、
なんとも小粋な返信をしようと考えながら、私はそのURLをタップした。

なんと、タップした先、男の桃源郷にはなまめかしい女性の裸体とゴキゲンなビートが流れているではありませんか。
これが私のkosheenとのファーストコンタクトであり、ワーストコンタクトだった。
イントロでは判別できなかったが、こんなもの歌詞を聴きとって検索かけてしまえば、朝飯前のポンポコピーだと高をくくった。

しかし、問屋はそうは卸さない。
歌詞が聴きとれないのである。
喘いでいる。女優が喘いでいるのだ。

If...『Oh,yes!!』...heart...『Fuxx me!!』...break

そもそも音量が小さい上、洋モノ特有の喘ぎが私のリスニングを邪魔していた。

捜査は難航を極めた。
朝っぱらから何をしているんだろう。お父さん、お母さんごめんなさい。
様々な想いが頭を巡り、消えていった。
ゲンドウのようなポージングでAVを鑑賞する変態が、そこにはいた。

2、3回聴くうちに hide you と繰り返し言っているのに気づく。
ググってみる。


Kosheen - Hide U - YouTube

出た。この流れで出たというと意味深長極まりないが、当然検索にヒットしたということだ。
しこしこ検索してついに発見した、Koheen(こしーん)。日本語の、古(ko) 新(shin)が由来だそうだ。
イギリスのブリストルを拠点とするグループ。
ドラムンベースの影響を受けているのが伺える。どことなくトリップさ、ハウスっぽさもある。
淫靡なボーカルにドラムンっぽくもドラムンっぽくないリズム・パターン、良曲である。
爆発的にヒットしたそうな。

ここまでくると知的好奇心は止まらない。
片っ端から彼女らの音源を聴いた。
アルバムごとに新しい試みをしようとする姿勢が垣間見える。
2nd”Kokopeli”なんかは特にそうだが、当時の流行を思いっきり取り入れた楽曲が鏤められている。


Kosheen -"All in My Head"

お姉さんがビショビショである。個人的にロングヘアーのが良かった。
バンドっぽさを前に押し出す時期もあったが、最終的には無機質なトラックに浮遊感のあるボーカルというスタイルに原点回帰している。


Kosheen - Mannequin

このMVはいかん。。酔う。
こういうドラムンベースを軸とした楽曲を作っているアーティストは日本ではまだまだ少ない。
日本のバンドマン、立ち上がるのです。ドラムンベースを入れるのです。

さて、このような紹介の仕方は『アーティストへの冒涜だ~!!!』と言われかねない気もするが、きっかけなんてなんでもいいと私は思う。
一度でも見聞きしないと好きにも嫌いにもなれないのである。
太田君、素晴らしいアーティストをありがとう。kosheen、出会ってくれてありがとう。
しかし、願わくば違う形で会いたかった。

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