神聖かまってちゃんが賢くないわけねえだろ
異常な言動、スキャンダル、問題発言、メディアに露出すれば話題に事欠かない彼ら
私生活を動画サイトで垂れ流し、時には中学生のような喧嘩をバンド内で繰り広げたりする
世の大多数に「ただ頭がおかしい人」という風に認知されているであろうバンド
神聖かまってちゃんです。
演出された狂気
僕は騙されない。神聖かまってちゃん、特にフロントマンの の子
彼は支離滅裂な言葉を発しながらヘラヘラ、しかし瞳孔開きっぱなしの目で異常性を常に全身から放っている。
しかし100%全てがとは言わないが、自ら進んでそうパフォーマンスをしているように思える。
出始めが曲紹介じゃなくて大変申し訳ない。
ユーモアあふれる彼の人間性を汲み取って頂きたい。
確かな狂気を感じるが、思考まで破綻しきっているようには見えない。
苦しみもがき、葛藤し努力したバンド
そんな彼が作る楽曲も同様に、彼の中に満ち溢れる狂気が計算され尽くされ形を成している
僕が最初に彼らに出会ったのはこのロックンロールは鳴りやまないっ だ。
数年前の当時、サマーソニック運営がアマチュアバンドを一般公募し得票数が多い上位数バンドを出演枠に組み込むという企画があった
その中の最終選考の20個程の楽曲の中で、MIXも歌も演奏も滅茶苦茶なこの楽曲がブッチギリで一番僕の心を捉えた。
歌詞の中での子が歌う、初めてのロックに対する衝撃
”そんなあの時の衝撃をいつまでも僕にくれよ”
その衝撃で頭をぶん殴られた気がした。ただの気の違えた奴が何の努力もなしに生み出せる破壊力ではない。
PVに出てくるバンドのラインナップを見ても思うが彼は音楽を聴いてるなと思う。
いくつになったら
タイトルとイントロだけで胸が締め付けられる
グシャグシャに歪んだギターの上でピアノの澄んだ旋律が奏でられる、いわゆる「かまってちゃんサウンド」は彼らの大きな特徴であり、独自性の一つだ
果たして彼は、このサウンドを何の考えも試行錯誤もなく適当に編み出したのだろうか?
”素直なまま 生きていたいって ふざけたツラ していたいって”
当時高校生だった時にこの曲を聴いてなんとなく感じたノスタルジーが、5年たった今聴いてまた違ってより重く、より僕に刺さる
内面性の表現の天才
ここまで、彼の狂気や異常性が演ぜられたものであるかのように書いたが、それもまた違うだろう。
パフォーマンスやキャラクター性の為の過剰な表現はあれど、彼の感じている不安や怒りや異常性は確かに本物で
彼はそれを音に、形にして吐きだしぶつけるのがとても上手なんだと思う。
時にはやりすぎ超えてはいけないラインを数歩超え、問題になることもしばしばだが
その点だけで推し量り「ああただのファッションキチガイね」と通り過ぎるにはもったいなさすぎるバンドだ
かなりややこしいが
本当に"違えてる気"をオーバーに演出することでファッションキチガイの皮をかぶり何とかポップにまとめてギリギリ世の中に露出できる(?)状態にしている
ポップと狂気の共存
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