路地裏音楽戦争と、さよなら君と孤独
短い記事になると思う。今回はごく限られた一曲のみの話だ。
もう閉鎖してしまったが、路地裏音楽戦争というサイトがあった。2chまとめ全盛期に音楽関係のまとめで台頭したサイトだ。よく比較されるのでこのサイトであまり名前は出したくはなかったが、もちろん読んでいた。当時高校生、音楽を聴くパイプラインもそこまで整備されきっておらず「何を聴けば…」と手さぐりの状況にあったのであのサイトは本当に助かった。だから僕はきっと音楽レビューみたいなのを読めないんだろう。各種音楽雑誌は未だに掲載バンドの名前をメモって棚に戻している。だってインタビューとか、長いもん。(一同笑)、じゃないんだよ。訊きたいことは訊いてくれないし、大事なことは話してくれない。いまだにインタビューはそういうもんだと思っている。あとバンドマンのみなさんからよく聞くのは「話すほどのことがないし、全部話すと大したことないのがバレる」らしいよ。インタビューのカルマは深い。
そんなわけで路地裏音楽戦争。このサイトのすごかったのは洋楽の話題の手広さと、なんといってもレコメンドの邦楽バンドの打率。おすすめバンドまとめ、みたいな感じで2chまとめとは全く関係なく管理人さんのオススメバンドが紹介されていたが、そのなかの結構な数が掲載の数年後見事にハネた。誰がいたっけな、クリープハイプとかトリコとかいたはずだ。
その実力派バリバリのバンド群のなかに一つイレギュラーが混じっていた。それがReverseのさよなら君と孤独という曲。とりあえず聴いてほしい。
一人だそうだ。宅録で録ったんでしょう。
路地裏音楽戦争の管理人さんがどこでこの曲を見つけてきたか、まったく故が知れないが、いろんなバンドが紹介されていたあのサイトで僕の中で最も心に焼き付いている曲だ。当時500再生とかだったとおもう。全く無名のこの曲だけが未だに頭の片隅に残っているのはなんだかだ。しかし未だに再生数が伸びているってことは、僕と同じくたまに聴いてる人がいるんだろう。
こういうのは、ネットがあって良かったことだなぁとしみじみ感じる。なけりゃ、僕は一生知る由もない。しかし彼一個人の発信がたまたまどこかへ流れ着いて、未だに誰かに愛されているってのはなんかちょっとファンタジーだよ。
音楽はもうこういうことで良いんじゃないか。
あのサイトで彼の曲がたまたま僕に届いたように、僕がたまたま拾い上げた曲がずっと誰かに聴いていてもらえていたら素敵だな。そう思います。