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2016/07/16

記事 邦楽ロック

このクオリティならイケる!Hello Sleepwalkersは是非海外と戦って欲しい

ちょうどこの前まで「邦楽はレベルが低い」っていうテーマの記事を書こうと思ってたんですよ。
ちょっと前に話題になったニュース、外人に「日本映画のレベルが低い」って言われちゃったってやつに絡めてね。
実際日本映画に関しては反論の余地がないくらいレベルが低いし、映画業界の人も暗に認めちゃってたけどさ、
音楽に関しても同じようなところがあるんですよ。

映画は目に見えてわかりやすいからクオリティが低いとかわかりやすいけど、
音楽もわかりにくいけど、実態は似たような感じというか。

グローバル社会グローバル社会って言われてる今このご時世、
ネットによって距離の遠さとかそういうのは関係なくなってきてるのに、日本の音楽って海外じゃ見向きもされてないんだよね。悔しいよね。

今日本発で海外でも火が付いた音楽って大体パフュームとベビメタ、あとクロスフェイスくらいだと思うんだけど、
なんとも言えない3組だけど、実はこの3組、明確な共通点があるんですよ。
それは音楽的なクオリティの高さ。

海外で売れないのはクオリティ以外にもいろいろな要素があるけど、
確実にクオリティの面でも影響があるはずなんだよな・・・。

とまあ、結論から言うと「邦楽はレベルが低い」っていうテーマの記事は取り消しになったんですけど、
なんでかってHello Sleepwalkersの新アルバム"Planless Perfection"が凄すぎたから。

ということで今回はハロスリの新アルバムのカッコよさについて解説していくのとともに、
私が「コレ海外でもいけんじゃね・・・?」と思った理由について書いていきたいと思う。

正直言うと前はあんまり・・・

この記事の流れでいくとこのまま、べったべたにベタ褒めする流れっぽいけど、
正直に言うとこれまでのハロスリの音楽は手放しで褒められるかっていうと何とも言えないところで、
ハッキリ言うと冒頭の「邦楽はレベルが低い」って言ったときにその枠の中に入る状態レベルだったと思うんですよ。

確かに今に続く演奏力の高さなんかは当時も十分あったんだけど、
それを持ってやっている音楽がオリジナリティにかけるというか、別に誰がやっても同じ感じ、
既存の音楽のパーツをパズルのように組み立てたような音楽だと思うんですね。

あと録音のレベルも、ものにもよるけど、ハロスリ持ち味のトリプルギターのパワーを音源の中に納め切れてなかったように感じるし。

そういう意味で日本の有象無象のバンドの一つくらいに思ってたんだけど、
今回のアルバムで完全覚醒しました。
2年ぶりのリリースだけど、その間にそうとう色々あったんでしょうね。
今までとは全く別物。

あと若干話が変わるけど、年齢的にも音楽的にもいわゆる”今が旬”のバンドって基本リリースのスパンは短めなんだけど、ハロスリはよく2年も空けられたなと思う。
その辺の事情は全然知らないけど、結果から見たら大成功ですよ。大化けしました。

聴けば聴くほど、相当こだわって作ったんだなってのがわかってくる。

このアルバム、何が良いって、聴けば聴くほど、相当こだわって作ったんだなってのがわかってくるとこなんだよな。
ということで、アルバムのリードトラックの神話崩壊を例にとって、良いなあって思ったところを説明していきたいと思う。


Hello Sleepwalkers - 神話崩壊

まず最初からちょっとわかりにくい話をするけど、コレめちゃくちゃ録音がいいんだよなぁ。
特にスネアの音が凄い。スネアの音で白米が食えるレベル。
あとボーカルの処理も凄い。存在感も凄いけど、声の魅力を最大限に活かした編集だと思う。

といってもそのあたりにあまり興味のない人にとっては何のことか全然わかんないと思うんだけど、要はアレだよ。
例えばハリウッド映画を見てもクオリティ高いなーってあんまり思わないじゃん、だってクオリティ高いのが当然だもん。
ホントにクオリティが高くなってくると、クオリティの部分より、その中身の方に集中できるようになるんだよね。
映画だったらストーリーに集中できるし、音楽なら曲に集中できる。

ということでね、大体何が言いたいかつかめてると思うけど、
この音源、映画でいうとハリウッドレベル。
言いすぎなんじゃないかって思われるかもしれないけど、ホントにすげえ。
少なくとも日本のロックバンドの中ではホントにトップレベル。

トリプルギターの迫力が音源に収められているのはもちろん、イントロのへヴィなビートから疾走感のあるビートまで完璧に演出されている。
これは演奏の話になるんだけど、この曲の1番のサビって前半と後半とでビートが違うんだけど、そこの具合とかね、是非注目して聴いてほしい。
これなんてバンド全体で表現の方向性を完璧に揃えないと出来ない芸当だよ。

あとどうでもいいんだけど、神話崩壊のPV見てて思ったんだけど、なんかメンバーみんな顔つきが変わった?
特にボーカルのシュンタロウさんなんて、前はもっとアクの強い顔をしていた気がするけど、すげーさわやかになった気がする・・・。

”邦楽ロック”的な手法の集大成

今回の作品の魅力の一つが、ハロスリのオリジナリティが確立されたってところだと思うんですよ。
オリジナリティっていうと「何をもってオリジナリティがある・ないって言ってんだ」ってなると思うんですけど、
僕は必然性だと思うんだよね。”芯”って言葉に置き換えてもいいんだけど。例えば意外性のある展開があったとしても芯からはブレてない状態というかさ。
とりあえずこの記事ではそれで進めていくんだけどさ。

今回のアルバム、もちろんハロスリらしく、ブッとんだパートがよく出てくるんだけど、これが全部必然性のあるブッとびかたなんだよね。
統一感があるというか。既存の音楽からの借用じゃなくて、彼らから自然と出てきた表現なんだなって感じ。

とまあオリジナリティがあるってことなんだけど、別にこれが言いたかったんじゃないんだよな。オリジナリティのあるバンドなんてほかにも沢山あるわけだし。
じゃあ何が凄いかって、ほかのレビューなんかでも頻繁に言われてるんだけど、ハロスリの音楽って思いっきり2000年代以降の邦楽ロックの手法がベースになってるんだよね。

目まぐるしく展開が変わったり、効果音的なギターの使い方だったり、ハッキリとメロディとバッキングとが対立してる形とかさ。
2000年代以降の邦楽ロックはそういった手法を多用するのが特徴なんだけど、ハロスリは特にそれが強いんだけどさ。

この手法には欠点というかネガティブな側面があって、
統一感がなくなっちゃうんだよな。曲単位、パート単位で別の音楽性になっちゃうというか。

でまあ、要はそういうことなんだよ。
今回のアルバムの何が凄いって、邦楽ロック的な手法を使って作られているのにオリジナリティが確立されていることなんだよな。


Hello Sleepwalkers - 夜明け

例えばこの曲みたいな割とシンプルなビートの曲でもシッカリ聞かせられるってのはそういうことなんだよ。
あとこの曲、6分半と結構長いけど、ラストパートのドラムのフレーズに至るまでの流れが非常に美しいから、時間があるときにゆっくり聞いてみてほしい。

外人に聞かせてみたい日本のロック

とまあ今回のアルバムのカッコよさについて語ってきたわけだけど、
これを踏まえて僕が思ったのが「外人にこれを聞かせてみたい」ということ。

もちろんサウンドのクオリティー的な面でもそうなんだけどさ、やっぱり邦楽ロック的なカッコよさを突き詰めた音楽というところだよね。
特にギターロック的な側面が強い邦楽ロックがそうだと思うんだけど、邦楽ロック自体がそもそも外人に見向きもされていないというか。

ハロスリはクオリティ的にも音楽的にもこれが日本のロックだって胸を張って言えるんですよ。
そういう人たちに聞かせてみて、日本のロックのカッコよさってのわからせたいと思うんだよね。
この記事を書くにあたって若干、単純に僕の趣味にあってるからカッコよく聞こえるだけなんじゃないのかって思って、疑いながらながら何度も聞いたけど大丈夫、間違いなくこれはかっこいい。

ということで長くなってしまったけれど、今回はこのあたりで。
また次回の記事で!

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