音楽業界を荒らし回る”ライブキッズあるある中の人”とは何者なのか話を聞いてきた。
"ライブキッズあるある中の人"という人物をご存知でしょうか。俺はよく知りませんけど自分で"中の人"という感じがなんか嫌です嫌いです。週刊文春が文春砲とか自称しちゃうのと同じ嫌さがある。
そんな彼ですが、実は知られざる水面下。一部の音楽ファン若年層、いわゆる「ライブキッズ」という人たちの間で看過できない一大ムーブメントになっているのです。
正直、気に入らんのです。バンドが曲つくって録ってツアー回って血涙流しながら必死こいて活動してやっと立てるステージの上に、Twitter上でちょっと人気になったぐらいでチャラチャラDJしてるのが、そんでそれがバンドより盛り上がっちゃう客層が。流行の人気曲流してそれでモッシュできるならバンド、いらなくないですか?何がライブキッズなんだよと。
そんなわけで気に入らないついでにインタビューしてきました。
彼が何者でどういった理念があってこの活動をしているのか根掘り葉掘り訊いてきました。それではどうぞ。
―ではお名前をどうぞ。
ラ:ライブキッズあるある中の人です。"あるある"と呼んでください。
―それが正式名称なんだ。名前変えた方がいいんじゃない?もう有名になってきてると自分でも思ってるでしょ?
ラ:いやいやそんな、僕なんて…。1アカウントの管理人なので。
―なーにを思ってもないことをこの野郎!!今日という今日は化けの皮剥がしたるけえのう!!ではまあ、インタビュー形式でやっていきましょうか。あるあるさんは何者なんですか?DJなの?
ラ:一応根源はですね、ツイッターの「ライブキッズあるある」っていうツイッターのアカウントの管理人…石左さん嫌いでしょ?
―嫌い嫌い。なんで嫌いかって、ああいうのって現代的なものですごく賢いと思うんだけど、言い方を選ばないでいうと、やり口が汚い。なんか、ずるいなぁって、そういうのが正直な気持ちです。
ラ:あー、でも僕も自分がやられた立場だとしたらそう思うと思います。
―多分同族嫌悪なんだよね。嫌いでしょ地下室TIMES?
ラ:僕昔はすごく読んでたんですけど、ディス記事を書かれて…。
―え、書いたっけ?(笑)
(件の記事:ミオヤマザキとか、ライブキッズあるあるとか、ヤバTとか、嫌いですか?)
ラ:忘れてるやん!で、その記事の中で写真を勝手に使われたのと、噂レベルの話を書かれたので、「はぁ?」ってなって。どうなんですか、そこのところは。
―訴えられる気概はある。別にそれは悪意があるとかではなくて、読者にわかりやすくしたくて使っているというか。画像の本人に取り下げてくれ、って言われれば取り下げるし。
ラ:じゃああの記事消してくださいよ(笑)
―やだ!!なんかそう言われると嫌だ!!じゃあ本人が否定しました、と入れておきます。
ラ:ユニバーサルの件もありましたけど…。(ユニバーサルミュージックにポルカドットスティングレイの記事の件で訴えられかけた件)
―あれは記事自体に怒ってきたんだよね、名誉毀損だ!っつって。
ラ:でもあれってただのレビューっていうか、石左さんの見解を述べただけですもんね。
―そう、個人の感想だから、取り下げたりはしない、っていうのが俺たちの意見で。俺は「売り方がダサい」っていう意見で、それは名誉毀損には当たらないと思ってるし、裁判にも勝てると思う。
ラ:僕もそう思う。でも、僕のやつは僕が勝ちますよね(笑)
―勝てるね(笑) 著作権違反だから(笑)ハッハッハ。すみませんでした。
一体君は何者?
―じゃあ話戻すね。ツイッターのアカウントの管理人なのはわかったんだけど、どういう経緯で今みたいに手びろい活動をするようになったの?
ラ:そうですね…。ツイッターのアカウントでああいうことをやりだして、少しずつフォロワーが増えていってたんですけど、僕ってもともとライブハウスで働いていたんですよね。で、働いていた時に出演したバンドマンの人から「フォロワーめっちゃ多いらしいなぁ、出てや」って言われて(笑) で、「出て、って何?」ってなっちゃったんですよね。何をしようか迷った末に「ライブキッズが喜ぶDJをやるか」と思い立って、そこから機材も揃えたりしてやりだしたのがきっかけですね。そしたらフォロワーもおるし、いろんな方面からお呼びがかかっていった感じですね。
―へぇ。フォロワーってのはやっぱ正義なんだなぁ。
ラ:でも一番はライブキッズあるあるからブレたくないっていうのがあるんですよね。マスクも、「顔隠したいだけちゃうん?」ってよく言われるんですけど、違うんですよ。マスクも、このアレキサンドロスの川上洋平みたいな髪型も、ライブキッズがしがちな格好じゃないですか。ディッキ履いてバンTきて。こういう、ライブキッズからぶれないようにしてるだけで。
―はぁー。それは読者も納得すると思うよ。顔隠す必要ないくらい普通にかっこいいもんね。で、他は何の活動をしてるの?
ラ:他はラインスタンプ出したりとか、割と細々とした活動を…。
―ファン抱くのは活動の一環すか。
ラ:抱いてない(笑) ほんまに抱いてないですから(笑)
―あー、じゃあ本当にファンには手を出してないんだね。ファン以外は?
ラ:ファン以外は抱いてますよ!自由恋愛なんですから。
ライブキッズあるあるの目的
―さっきライブキッズあるあるからブレたくない、って言ってたんですけど、もともとあれって何のために作られたアカウントだったの?きっと何か目的があって作ったんじゃないかなぁって思っていたんだけど。
ラ:本来の目的はですね、ふわっとしてたんですけど、ライブハウスでブッキングをしてると一組目が決まらないんですよ、イベントの趣旨となるバンドというか。やっぱりそういうのを集めるためには何かこちらも武器というか、何か目をひくものが欲しいなぁと思って、いろんなコンテンツをやって、当たったのがたまたまライブキッズあるあるだったんですよね。それが出発点でした。だからDJを始めたのも、「あぁ僕が一組目になれるなぁ」って思ったり。一番は推してるバンドのライブを組みたいなぁっていうのがありますね。
―なるほどね。話してみたらすごくしっかり考えてるんだね。でもごめんね、ここで一個だけ意地悪な質問をさせてもらいたいんだけど、バンド側から「ライブキッズあるあるが盛り上がりすぎている」っていう意見があるんだよね。有名なバンドの曲を流してるだけなのに…っていうやっかみ。それに関してはどう思うの?バンドを応援しているのに、逆に噛み付かれるっていうのは。
こんなかんじになるかも pic.twitter.com/PEYFtJF1ti
— ライブキッズあるある (@livekids_aruaru) 2016年7月15日
ラ:それはやっぱ、コンテンツとして、DJとして自分が強くならないと人なんかこないわけで。僕が嫌いなのはDJがバンドイベントを開催して、それで客が集まったら「俺らが売った」みたいなことを言うことなんですよ。それって、DJの集客ってたぶんめっちゃ少なくて、多くはバンドが呼んでると思うんです。DJはおまけ程度で、ただのブッキング能力が高いだけの集団のくせに…って思っちゃうんですよ。そうじゃなくて、僕はDJがしっかり強くて、客を呼んでこれて、そこにそのDJが見せたいバンドを呼ぶっていうのが理想だと思うんですよね。そもそもDJって、ネットやユーチューブが発達する前は、DJが好きな曲をかけて、そこから音楽を知っていくっていう役割があったわけで。でも今の世の中では自分で探せるようになっているし、じゃあどうやってバンドの良さを伝えるか、って考えた時に、それは生のライブが良さを一番出せると思ってるんです。だから僕は、自分の企画したライブで自分の好きなバンドを知って欲しいから、自分のはコンテンツとしてしっかりと振り切って、自分でお客さんを呼んでこれるようになりたいからフェスでDJしたりとかもしてるんですよね。だからまぁ、やっかまれても仕方は無いし。僕は自分が好きなバンドを推すだけですからね。
―自分のパワーで自分の好きなバンドをフックアップをしたいってことなんだね。
ラ:そうです!BASEMENT-TIMESも多分目的は一緒だと思うんですよ。その手段が違うだけで。多分ですけど、僕のことを好いてくれてる人たちは、僕らみたいなスレた奴と違って純粋な子たちが多いと思うんですよ。だからライブに来てくれたら、「うわ!すごくかっこいい!」って思ってくれると思うし。
―純粋っていうか、ライブにまだ行き始めたばかりの、本当の意味でのキッズ。そういう子たちは素直だもんね。だからリビジョンとかにも夢中になるし。
ラ:そういう子たち、自分の好きなバンドのワンマンしか行かない、みたいな子たちを、ライブハウスのシーンに引っ張って来たいなぁって思うんですよね。DJ単体の話なら、僕がDJを聴いてて「おっ!」ってなった瞬間って、自分の知ってる好きな曲が流れた時なんですよ。つなぎとか、ある種のテクニックは一切気にしていないっていうか。だから自分も、「見にきているお客さんが絶対知っているような人気の曲をかけよう!」とは心がけているつもりですね。だから、DJとしてはそういう有名曲をチョイスして、まだ誰も知らないようなインディー系はイベントに呼ぶ、って考えてます。
―これ言っていいのかわからないけど、あるあるくんは、狙っているとは思うけど割と「低年齢向け」コンテンツだと思うんだよね。そんな中でやっていて人気もあって集客もすごくあると思うんだけど、「俺がフックアップしたぜ」っていうバンドはいるの?
ラ:それこそ、リビジョンとかですかね。あとおいしくるメロンパンは去年一昨年の11月とかに企画やツアーに読んだんですけど、、、全然知名度はなかったけどすごくいいリアクションをもらえたし。
―そうなんだね。リビジョンとかは単体ですでに強くなっていってるし、おいしくるも俺は嫌いだけど絶対売れると思うんだよね。
おいしくるメロンパン - look at the sea
フリートーク
―いや、でも今日会ってわかったけど、俺たちの間にあるのは同族嫌悪だというのは。
ラ:間違い無いですね。僕からしたらすごく稼いでそうだし。
―金なさすぎて毎日そうめん食ってるんだけど。じゃあうちのノルマなんだけど、嫌いなバンドっている?先に聞けばよかったんだけどさ。
ラ:そうっすね~…、僕大学時代に軽音サークルでボーカルだったんですけど、声がすごく普通で。なので、ボーカルが決まらないようなバンドに呼ばれて歌うことが多かったんですけど、その中で知らないバンドの曲とかも歌っていくみたいなのがずっと続いたので、あんまり嫌いな属性とかはないんですよね。
―俺だったら、リビジョンとかはエンタメとしては面白いし絶対売れると思うけど、俗っぽくて無理なんだよね。あるあるくんはそういうのに対して抵抗がないよなぁって話してて思いました。それを踏まえて、「それでも嫌い!」っていうのはいないの?
ラ:石左。
―殴るぞ。
ラ:ははは(笑) でも今日でちょっと好きになりましたよ(笑) でも僕は嫌いっていう概念…例えば「マクドまずいから嫌いや」みたいなやつには「いや、美味しくないけど食えるやろ!」って思うんですよ、嫌いっていうのは、オエッ!ってなって食えたもんじゃないようなもので。だからバンドに関しても「好きじゃない」バンドはたくさんいるけど、「嫌いな」バンドはいないんですよね。
―1バンドもいないの?すげぇな…。ミオヤマザキは?
ラ:え、すきすき。
―あいみょん!コレサワ!
ラ:曲によるけど好きですよ!
―曲によるっていうのはずるいんじゃないの!ちょっと!
ラ:いやいや、そんなことないですよ(笑)
―…いやでもこうして並べると俺、女嫌いだな、ポルカドットスティングレイとかさ。
ラ:僕は、嫌いではないですけど、好きじゃないバンドに関して言えば「個性のないバンド」があんまり好きじゃないですね。
―はぁ…例えば?
ラ:関西で言えば客がいない奴らとか、例えば「俺らメロがいいんで!」って、そんなのは当たり前で、そこから自分たちの個性を出していくのが正解でしょう!って思うんでうすよ。しかもそういう奴らに限ってメロも普通だし…。
―いい回答だ。一番いいですよ今までより。 じゃあ、ライブキッズあるあるやってて辛かったなぁ~ってことは?
ラ:それはもう、地下室タイムスに記事を書かれたことですよ。
―ハッ
ラ:それで僕、病みましたからね…ほんまに不眠症になりましたからね!
マネージャー:あるあるね、意外と真面目だからさ(笑) 俺らからしたら「いいじゃん、美味しいじゃん!」って感じなんだけどさ。
ラ:いや僕マジで怒ってましたからね!ずっと怒ってた!
―あの記事にそんなに悩まされてたのか…。
ラ:いや、記事っていうか、あの記事のせいで不特定多数にすごく叩かれてたんですよ、その時。でもおかげでメンタルは強くなりましたね(笑) 本当に一番辛かった(笑)
―取れ高あるなぁ~!
ラ:後、周りもね、すごいいうんですけど、ライブキッズあるあるなんか儲からないからな…サーキットフェスなんてギャラも出ないし、交通費も出ないし、ライブキッズあるあるで言えば経費もろもろでギリギリ赤字ですからね(笑) 僕、他にも働いて金稼いでるわけで、ライブキッズあるあるは純粋に「バンドを応援したい!」っていうだけですよ。
―では最後に、「ライブキッズあるある」として、こうしていきたい!みたいな、夢とかある?
ラ:夢か…夢は…でも一番は市場の活性化やと思ってます。ユーチューバーとか無料ゲームに取られている若い子たちを、もっとバンドやライブハウスに引っ張ってこれたらいいし、その窓口の役割を果たせたらいいなぁって思ってます、その後僕の嫌いになってくれても全然いいし(笑) 音楽業界の人たちって、他の音楽とどう戦うかって考えてるけど、違うと思うんですよ、音楽の敵は他の娯楽なんだと思うんです。
―そうだよなぁ。すごくわかる。音楽の敵って他の音楽じゃなくて、他の娯楽、ソシャゲとかユーチューバーなんだよね。
ラ:音楽聴いてる人ってすげぇ少ないんですよ。でも無料ゲーム…シャドウバースとかツムツムとかはやってる人多いし。
―この間さ、居酒屋で隣に座ってた女子大生と話してて、話すこともないから「どんな音楽好きなの?」っていうことを聞いたら「わかんない」って返答だったんだよね…。音楽聴いてねぇんだよな。
ラ:そうなんですよね。でも、他の音楽以外のコンテンツに勝って、そこに裂かれている時間を取り戻せれば…とは思うんですよね。フェスに60,000人いく、って言っても、年一回でそこで終わっちゃう人が大半な訳で、ライブハウスに来る人はほんの一握りなんですよ。だから、まずはライブハウスに来て欲しいなぁと思ってます。
―いや、ほんとね、ここで一個だけ謝らせて欲しいんだけど。やりまくってるとか書いてほんとすみませんでした…。真面目に考えてやってるんだね。見直しました。
ラ:もういいよ(笑)人に嫌われても批判されても新しいバンド、良いバンドをフックアップしていきたいです。僕は。
バンドのフックアップ
同族嫌悪だとは思っていたんですけれど、話を聞いて余計にシンパシーを感じました。一部の人に嫌われてもバンド音楽を盛り上げたいって強くて素敵な考え方だなと。
僕のように彼をなんとなく嫌いだった人、逆に元々ファンだった人、その両方が彼の活動や考え方をほんの少しだけどわかってもらえたら嬉しいです。
最後に、画像の無断使用の詫びを兼ねてリリースとツアー情報を。特にライブはライブキッズなら無料という太っ腹な内容になってますので是非。
それでは!
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タイトル:「ライブキッズのための名曲集」
発売日:2018/3/14(水)
品番:ARAR-0001
価格:1200円(税別)
収録曲:
1.ドラマチックアラスカ 「ライブキッズあるあるのテーマ」(オリジナル楽曲)
2.POT 「Choo Choo TRAIN」
3.バックドロップシンデレラ 「おしえて(アルプスの少女ハイジ主題歌)」
4.THE NUGGETS 「TRAIN-TRAIN」
5.オメでたい頭でなにより 「マル・マル・モリ・モリ」
6.ReVision of Sence「Sex On The Beach」
【「ライブキッズのための名曲集」リリースツアー「ライブ行きたい〜CDリリースツアー編〜」日程】
3/20(火)静岡UMBER
3/27(火)神戸太陽と虎
3/28(水)岡山CRAZY MAMA 2nd Room
4/2(月)仙台CLUB JUNK BOX
4/3(火)新潟CLUB RIVERST
4/4(水)金沢AZ
4/11(水)鹿児島SR-Hall
4/12(木)小倉FUSE
4/13(金)高松MONSTER
4/18(水)大阪梅田BananaHall
4/19(木)名古屋RADHALL
4/25(水)渋谷チェルシーホテル
※全公演ライブキッズ無料(ドリンク代別途必要)
※出演:DJライブキッズあるある中の人/バンド複数
※応募方法:ライブキッズあるあるのTwitterにて受付中
ライブキッズあるある(Twitter)