内側から邦楽ロックをぶち壊してほしい mol-74
突然なんだけど、この曲がシガーロスの”Gobbledigook”という曲に似ているように思うんだけど、みなさんいかがだろうか。
mol-74 - %
Sigur Ros - Gobbledigook
下の元ネタの方は世界的に有名なバンドの中でも最も難解というか、パッと聞いてわかりづらいタイプの音楽として有名なシガーロスの一曲。
そして上の動画は、今回の記事のテーマのバンド、京都のロックバンドmol-74の一曲だ。
みなさんいかがだろうか。手拍子のリズムや細切れリズムのギターリフなど、かなり珍しいアプローチだし、たまたま浮かんじゃったりしないタイプだと思う。なんならmol-74本人がシガーロスからの影響を公言しているしな。鳥山明リスペクトの漫画家が髪の毛の色が変わって強くなるキャラ出すようなもんだよ。
パクリとオマージュの境界なんて曖昧なものだし、人によって基準は変わってくるものだけど、今回の審問は個人的にはオッケーとしたい。結構際どいラインだと思うけど、僕はこの曲カッコいいと思うのでオッケー!異論は認めん。
オーバーサイズのシャツにキノコヘアーという”邦楽ギターロック”の制服みたいなのを着て思いっきりシガーロスをかましてきたリスナーに媚びないその心意気。漠然と最近の邦楽ロックパッとしないなあと思うことがあるが、恐らく足りないのはこういう心意気だと思う。
確かにリスナーが求めるものをそのまま形にすれば、もちろんそれなりのものは出来る。だがそれでは予想通りの良い曲しかできない。
僕もそうだし、このサイトを見ているみなさんもそうだと思う、こうやって日夜新しいバンドを探すのは、今まで聴いたことないけどカッコいい音楽を探してるからではないだろうか。
というワケで今回はmol-74(モルカルマイナスナナジュウヨン)の紹介の記事でございます。
mol-74 - グレイッシュ
mol-74というバンド、分類的には若手バンドに分類されるが、結成自体は2010年で現在5枚ミニアルバムをリリースしている、そこそこのキャリアのバンドだ。
正直に言えば割と前から名前ぐらいは知っていたのだが、印象としては後一歩なにか足りない感じだった。
上の曲はサードミニアルバムからの一曲。コメント欄などを見ると「透明感が凄い!」なんていう感想が多く見られるが、僕としてはどうしても透明感一辺倒に感じてしまうんだよな。カッコいいことにはカッコいいんだけど、他のアーティストの曲でこと足りてしまう感じというか。
mol-74 - %
彼らの印象がガラっと変わったのが、冒頭に紹介した「%」という曲。これマジでカッコいいのでもう一回貼っておきます。
初っ端から「これパクリじゃね?」なんていういやらしい紹介の仕方をしてしまったが、かわいさ余ってなんとやらというやつ。
日本のJ-ROCKシーンって、ずっとギターロックが突っ走ってるイメージで、それがつまんないなと思っちゃったんです。今の若い子たちは洋楽離れが進んでるっていうけど、それもすごくつまらないなと思うんですよね。
CINRA - 期待の新鋭・mol-74が語る「音楽のファストフード化は悲しい」 より引用
もちろん全てがそうではないのだが、特にインディーズの邦楽バンドに関していえば暗黙の了解でできたルールに捉われすぎているきらいがあるように思う。サビは絶対にギタージャカジャカやって盛り上がるみたいな。
逆の見方をすれば縛りがあるからこそ、その範囲内で面白いことができるとも考えられるけど、個人的にはもうそろそろ限界というか。流石にアイデアもでつくして何聴いても同じみたいなところまで来ているように思うのだ。
mol-74というバンドと「%」という曲はその暗黙の了解の壁を越えてきたように思う。リスペクトが余って半分シガーロスのパクリの領域まで足を突っ込んでしまっている手拍子パートと誰が聴いてもノれるキャッチーなサビ。音楽的に新しくて面白いのに、一般ウケも狙える楽曲。とても良いと思います。
どうしてもYoutubeに挙がっている曲でこの場で聞いてもらいながら読んでもらいたいという都合上「%」のコメントばかりになってしまっているけど、同曲が収録されている5thミニアルバム「kanki」は他の曲も「%」と同じレベルの完成度に仕上がっている。
その中でも特に聴いて欲しいと思うのが「開花」という曲。「%」でも大分大胆に仕上がっていたがこちらの曲の方がもっとヤバイ。こんなやりかたあったんだ、という斬新なアプローチの一曲だ。興味のある方は是非手に取って聴いてみて欲しい。
さて、彼らもう既に次の作品のリリースも決まっており、僕の予想だとさらに良くなっている気がする。この調子で邦楽ロックの壁をどんどんブチ破っていって欲しい。
というワケでmol-74おススメです。次のミニアルバム割とマジで楽しみ。
それでは!