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2016/01/22

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最強の「魅せる」バンドMutemath

動画サイトがネットの中で大きな地位を占めることになった今、MVやLive動画の持つ役割は大きい。
新人のバンドが売り込むのに、ビジュアル面が持つインパクトは欠かせないもので、動画で訴えられる情報量は大変多く、決して無視できない要素である。

このような状況下、「魅せる」ということを意識することは一般のリスナー達にとって、大変重要なポイントになる。
リスナーは普段楽器を触らない人間が大半だからこそ、五感の耳以外の要素に訴えられるものがあるのであれば、それを用いないのは愚の骨頂である。
そして、今回紹介するMutemathはそういった観点のもと、自分たちの「魅せ方」を最も理解しているバンドの一つである。

逆再生のミュージックビデオ

彼らを一躍有名にしたビデオであり、音楽動画としてよりも面白動画の類としてご覧になったことのある方もいるかもしれない。
少し進めるとわかるが撮影は逆再生で行われており、アイディアも評価され2008年のグラミー最優秀短編ミュージック・ビデオ賞にノミネートもされている。
(なお、この時の受賞はJohnny Cash の God's Gonna Cut You Down)
逆再生自体は比較的容易に思いつくかもしれないが、逆再生ならではの効果を用いながら違和感のないその姿に驚く。

そしてアイディアをただのアイディアに終わらせない楽曲のよさでいつのまにかリスナーの心をつかんでいる。
古今東西、時間操作系MVは少なからずあるがやはり主役は楽曲。
Mutemathもキャッチーさの中にある儚さを持った楽曲へのフックが最終的な目標であり、その「魅せ方」にふさわしいMVを用意しているわけだ。

さて、彼らには他にも個性的なMVがあるが、そちらは興味があれば調べていただければ良いと思う。
次にLive動画を見てみよう。彼らの凄さはMVよりもLiveにある。

 

楽器の定義とは

このバンドの特徴がなによりも現れた曲である。
ただし若干長い演奏時間だ。Liveのクライマックスにくる曲であるのだがその熱を持った状態で聴くこととはいささか状況が違うので、少し映像を進めよう。
見所は5:55~である。メンバーが担当楽器を離れ、ついには7:33、ドラマーだったはずの男が観客のもとにダイブする。
ビートはそのままにLiveは最高潮を迎え、最後は打楽器奏者三人となりフィナーレを迎える。

このLiveから読み取るに、まず彼らは楽器へのアプローチが違う。
バンド音楽においては自分たちの何よりの相棒である楽器をどのように定義し、そのあり方を問い続けることは大変重要なことだが、彼らはまずもって、単に音を出すツールとしてではなく“楽器を使って何をするか?”という視点で表現を行っている。
その上で、ただの技巧だけを追求することではたどりつく事のない目線を持っているのだ。
もちろん、これもまたベースとなる楽曲のよさがあってのことだとは思うが。

 

パッケージング

さて、上記二つの動画を見て、一つ気づいたことがないだろうか?
とりあえず、先にテキストを見ているという読者の方がいれば動画でなくてもいい。静止画にしよう。

mutemath
そう、楽器の配置である。
特にドラムの位置が通常我々が頭の中に描いているよりもかなりオープンな配置である。
彼ら自身が持ち味を最大限に発揮するセットはこれだ!と考えているからこその配置である。

そのドラムのオープンさをさらに進め、下記のようにドラマーにスポットライトをあてた動画もある。


音楽性自体はドラムの音だけが前面に出てくるようなタイプのバンドではないが、自らの「魅せ方」の研究がこういったところに表層化しているのだろう。
ニューオリンズ出身の彼らがブレイクしたのは平均年齢30歳弱の頃であるが、それまでに多くの経験を積んでこれらの“パッケージング”に結びつけてきたのだと思う。

 

2015年新譜発表予定

現在、全米ツアー中の彼ら。各公演は軒並みSold Outが続いているが、この度新譜が発売予定である旨がリリースされた。
そして、それに先立ち新曲が公開されている。

この曲は既にLiveでは発表済であり、その公開から一年ほど温めてきた曲である。
そして、このタイミングでの新曲公開に至ったのはまさに満を持してといったところであろうか。

この後も続々情報が公開されることだろうと思う。大変楽しみなところである。
もちろん、以前の日本盤発売時にあった単独の来日公演も期待されるところだ。
もしこの記事で興味を持たれた方は近くに来た際、是非会場に足を運んでほしい。
何よりもその会場に彼らの熱はあるのだから。

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