バンドマンよ、残念ながらあなたの努力はリスナーには届いてない
先日「公開デモ音源審査、やりますという」企画、詳しくは記事をみてもらえればと思うが、予想以上に沢山のデモが集まって盛り上がった・・・と思う。
審査の結果発表とその際の録音はまた後ほど記事にして紹介するのでまたその時に。
沢山送っていただたいたのは本当にありがたいんだけど、やっぱり時間の関係とかさ、デモの本来の目的ー才能のある新人を探すーということやらで全部が全部ゆっくり聞くわけにはいかなかったけわけだ。
でまあ、ザックザック進めていったわけなんだけど、一つ気になったのが、生放送していた時のリスナーの反応が辛辣というか。
よくある「ネットで本音がでる」ってやつかな?
とまあここまでが今回のテーマに至った経緯なんですけども、つまり何が言いたいかって「リスナーはマジで厳しいぞ」ということ。
みなさん、どうですか?子供のころ無意味に虫を殺戮してませんでしたか?アリの巣を水攻めしたり、セミをエアガンで処刑したりとか。子供は無自覚の内に残酷なことができるんですよ。
つまり何が言いたいかって、そうリスナーさんたちですね、無慈悲ですよ。無自覚の内にね。
でもこの世の中ってのは残念なことに音楽に詳しい人よりも、そうでない人の方が大多数を占めるわけだ。
ということで今回の記事はそんな無意識に無慈悲な大多数について考えていきたいと思います。
リスナーは残念ながらあなたのこだわりが聞こえていない
私的な話になってしまうのだが、先日ラジオを聴いていたらちょうどケツメイシのメンバーが喋る番組だった。
で流れてのが「ドライブ」という曲。今から10年も前にリリースされた曲なんだけど、何を隠そう10年前僕が好きだった曲である。
ピンポイントでちょうど自分のよく聞いていた曲が流れて「あ~なんかいいなあ~」と思って聴いていたんだが、あることに気づくんですよ。
この曲のアウトロの部分。めちゃくちゃカッコいいギターソロが入ってるんですよ。
ケツメイシ ドライブ
しかもサラっと入っているというよりは、もうガッツリギターソロ。
アウトロの尺、1分間ずっとギターソロのターン。6分の曲の内の1分だから、実質6分の1はギターソロの曲だねコレ。
で、まあギターソロの内容は別にどうだっていいんだけど、何がヤバかったかって、10年前はそこにギターソロが入ってたことに気づけてなかったってこと。
ギターソロのカッコよさに気づかなかったんじゃなくて、ソロの存在に気づけなかった。
10年前の俺の記憶では「歌が終わってからが長いな」くらいにしか思ってなかったんだよな。
なにもこのケツメイシのくだりが特別なわけではなくて、この手の「小さいころに聴いていた音楽を改めて聞くと、すごい発見がある」というやつ、音楽をやっている人たちの間では割と定番のあるある話である。
よくいう「一度知ってしまうと戻れない」っていうやつで、例えば今この時代スマホなしで生きていくの考えられないでしょ?そういうことだよ。
若干話がそれたけど、つまりアレだ。ギターソロが聞こえないのは多少極端な例かもしれんが、大多数のリスナーはそれに似たような感じ。
演奏なんてザックリ雰囲気ぐらいしか伝わってないわけだよ。
逆に何を聴いているかって大体の場合は歌詞ですな。
「音楽を聴く=ボーカルの歌詞を聴き取る」という感じ。
洋楽とかインストとか何がいいかわからん・・・って人はつまりそういうことだよ。
それを好きな理由は「それしか知らないから」
また話はケツメイシに戻るんだけど、
そういや今の若い子ってケツメイシわかるんかな・・・。一応今でも活動しているけど、全盛期は今から10年も前で・・・。
最近の音楽でいうと、そうだな・・・強いて言えば湘南乃風的なポジションで・・・。いや書いている僕ですら、なんかそれと一緒にするのは違うだろって思ってるんだが、メジャーな音楽界隈が壊滅しすぎてて他に例える当てがないんだ・・・。
まあなんていうんだ、若干DQN気質なところがあるラップ的な?あの頃は確かオレンジレンジとか好きな子らが聞いているような音楽なんだけどさ・・・。
で、僕は文章からもなんとなく伝わると思うけど、オタク気質でしてね。運動苦手だし。
当時で言えばそういう子らが聞いている音楽っていえば一番に挙げられるのはバンプオブチキンとかだと思うんだけど、僕が聞いていたのはバンプじゃなくてケツメイシ。なんでかってバンプを知らなかったから。
今から考えればバンプを知らずに生きていく方が難しいような気がするんだが、中学生だった当時はなんでかバンプというものの存在を知らなくて、逆にケツメイシは知っていたから聞いていた。
つまりはそういうことなのである。
もちろん好みは存在するけど、それ以上に手に触れるところになるかどうか。バンドマンでもなく音楽マニアとか、そういうのではない人たち、いわゆる”普通のリスナー”と呼ばれる人たちが音楽を好きになるかどうかなんてそのあたりのもの。
自分の話を一般化しようというわけじゃなくて実際にそういう人に話を聴いたりだとかアレそれしてみても大体この答えに収縮する。
「#OOerさんと繋がりたい」なんてタグで頻繁につぶやく高校生が能動的にディグってYou Me At Sixにたどり着くかって、もちろん一部はたどり着くだろうけど、大半はマイファスとかその辺に収まるでしょ?
売れたいんだったら彼らを意識しないといけない
最近常々思ってるんだけど、そもそもバンドを結成すること事態がかなりハードルが高いなと・・・。
いやだってさ冷静に考えて「俺と一緒に人生賭けようぜ!」っていってのってくれるやつが何人いるかって話だよ。それでアタリになる確率が大体1000分の1ぐらいかな?狂気の沙汰ですわ。
その後曲を作ったりだとかバンドのなんかしらのトラブルだとか、なんか諸々のものを乗り越えてやっと人の耳に入るとこまでいくんだけど、その結果が上に書いたような様子。キッツイなー。
いや、何度考えても音楽なんてやるもんじゃねえなって結論になるんだけど、それでも後を絶たないのがこの世の常というやつで。
ただキッツイ状況だとしてもこれが現実ですよ。
リスナーに歌詞じゃなくて演奏に耳を傾けろ!とかマイナーなの聞け!とかいうわけにもいかないでしょ。
全部リスナーに合わせるのが正解というわけでもないけど、歩み寄るところは歩みよって、自分たちでこだわる部分はこだわってっていうバランスが大事なんじゃないかな。
歌もののバンドだったら歌詞はもちろん聞き取れるようにするとかさ。
インストの音楽をやってるけど売れたい!っていうわがままなバンドには・・・そうだな・・かける言葉がねえ。
ということで今回のコラムが何かしらのヒントになれば幸いです!
ではまた次回の記事で!