不憫! メロディメーカーBrendan Benson
The White Stripesファンの地下室times読者ならばもちろんご存知であろう、Jack WhiteのサイドプロジェクトであるThe Raconteurs
荒々しい60's〜70'sロックを下地にしつつも、トラッドフォークやカントリーの要素を織り交ぜ、現代的なオルタナ風味もしっかりまぶした耳に美味しいチャンプルーなバンドである。ギターの音色的にストーナーロック好きにも受けが良さそう。
Jack Whiteのエキセントリックな作曲センスやギターワークが炸裂しているのは言わずもがなであるが、今回フォーカスを当てたいのはキラリと光るメロディでバンドへ貢献している共作者かつギターボーカルのBrendan Bensonである。
え?よく知らない!?
それも仕方がない、どうにも作風が地味なのだ。若干音楽ナードな宅録系のパワーポップを得意としている
しかし、彼はJack Whiteのオマケじゃない!The Raconteursの成功の半分...
いや、3割5分くらいはBrendan Bensonの功績だ!
ちょっとだけでも目を向け、耳を傾けてあげてもらいたい。
やっぱり本人も自覚している
そう、彼(ジャック・ホワイト)は商業的に成功してるし、僕はよりインディーだから(笑)(UNCUT/2006)
間違いなくこっち(ラカンターズ)のほうが有名だからね。だけどまあわかりやすいことだよ、ジャックがバンドにいるんだ。彼はたくさんの聴衆を引き付ける。(The Ponint of Everything/2010)
自分の立ち位置を理解し、友人であるJack Whiteを立てつつも滲み出る卑屈さが不憫である。きっと友達と同じ女の子を好きになったら早々に戦線から降りて「応援してるよ!」と言ってしまうタイプだろう、いい奴だ。
ポップかつ憂いを含んだメロディライン
The Racounteursの作風からは想像できないかもしれないが、1stアルバム「One Mississippi」の頃はこんなに軽快なパワーポップを演奏していた。
小気味良いギターカッティングとブリブリと歪んだBenfolds Fiveにも通じるベース、"ナナナーナナ"コーラスが可愛らしい、疾走感のある佳曲である。ビートルズにバリバリ影響を受けているであろうメロディラインにグッとくる。
ちなみにこのアルバム、Book Offの250円コーナー常連である。MCハマーとかAce Of Baseに現を抜かしている場合じゃねえ!「One Mississippi」を買え!筆者は無駄に3枚持っている。
こちらは3rdアルバム「The Alternative To Love」からのリードトラック
1stアルバムから10年以上経ってから出ただけあり、年齢的にも若干作風が落ち着いた、老けたともいう。しかし、抜群のメロディラインはそのままに、荒さが魅力だった1stアルバムに比べるとアレンジの巧みさが前面にでて楽曲の完成度は上がっている。
もう一度The Raconteurs
では、ソロ曲を聴いた上で、もう一度The Raconteursを聴いてみよう。
Brendan Bensonがメインボーカルを務めるこの楽曲、寂しげで郷愁を誘うメロディは恐らくJack Whiteが書いたものではないだろう。心地よく浸れる、アルバムの中で箸休め的な役割をしている楽曲だ。
やっぱり3割5分...、いや、4割ぐらいはBrendan Bensonの功績ってことでどうだろう?ダメ?
ルーツとも共演
最後は、The Zombiesと共演し、「This Will Be Our Year」をデュエットする動画で締めよう。
向かって右手がBrendan Bensonだ
めちゃくちゃ影響を受けてるのだろう、緊張で挙動がおかしくなっている辺り人柄がにじみ出ている。
動きはヘンテコだが、ばっちり歌いこなしているところにリスペクトを感じる。
Book Offに立ち寄ったとき、まずは1枚でも良いので手に取ってみて欲しい。
Jack Whiteがなぜ彼とバンドを組んだのか、理由が分かるはずだ。