平原綾香からコネの重要さを学べ
それが卑怯かどうかは一旦置いておくとして、コネというやつはどうやら存在するらしい。具体的な例までは出さないが血縁関係、交友関係から何らかしらのタイアップや出演、団体への所属等は実際にいくつか見聞きしたことがある。ゴーストライターや事務所のゴリ押し等が渾然と敢行される世の中である、それと比べればコネ云々なんかはまだクリーン。考えてみて欲しい、あなたが局の関係者でタイアップを選択する権限があったとして、10年来の友人に、または立場上付き合いのある音楽関係者に「このバンドで頼むよ」と頼まれたら、またはそこに金銭が発生していたら、あなただったらどうするだろう。僕なら断らない。というよりも世にバンドは比喩でなく腐るほど存在し、コネや状況的理由以外の採用基準で選べるほど選択肢が絞られない。
さて、足場が固まった所で平原綾香の話をしたい。好き嫌いで言えば正直好きなシンガーではない。が、どんなアーティストにも、どんな人間にも、見習うべき所がある。特に結果を出している人間には少なからず何かしらある。ナオトインティライミの記事なんかがそれだ。そういった部分に注目してバンド・アーティストを見直せばまた見え方も違ってくることだろう。
今回は彼女、平原綾香からコネと実力について考えよう。
クラシックレイパー
彼女の呼び名の中で見かけたものに、とてもしっくりくるものが一つあった。クラシックレイパー、音楽の強姦魔だ。踏まえて一曲聴いてみよう。
ご存じかと思うが元は
これ、いやもうこんなのロックマンのBGMに歌詞つけたやつとやってること変わんないからな。なんなら作詞が本人だし目の付け所とか考慮するに後者の方が断然面白い。デビュー曲でこのハードパンチ。一旦彼女のことは完全に忘れた頭で考えてみて欲しい、音楽の授業で友人が以下のように提案してきたら。
「木星の歌詞考えた。"Everyday I listen to my heart. 一人じゃない。"どう?」
どう?じゃないんだよ。お前ホルストに訊いてみろよ。
僕の心の貧しさ故だと思うが、歌詞の内容もまったくわからん。愛は地球を救う!ぐらいの具体性のなさ。木星も全く関与してこないこの潔さ。宇宙・星、等の僅かばかりのコスモティック要素が見受けられるのも作詞者の"迷い"が感じられてコク深い味わいに仕上がっている。胃もたれしそうだよ。
他には威風堂々なんかも姦通済だ。ちなみにセールスはあたしんち!の主題歌の方が上。マジかよ。荘厳な伴奏が困惑を誘う。
珍しい声で声量を出せるのでシンガーとしては完成されている、のかもしれない。好き嫌いは分かれそうだがあの耳に残る声質が、残した結果に一役買っているのは間違いないだろう。
周辺状況を見る
人の周辺状況なんか邪推しだせばキリがないが、出始めの経歴の不穏な瘴気がヤバい。お父さん、どうしても娘さんを音楽の道へ歩ませたかったんだね…と微笑ましい見方もできないことはないが、露骨すぎる。
芸能界デビューのきっかけは、高校の文化祭の時にミュージカル『天使にラブソングを2』でリタ役を演じ「Joyful Joyful」を歌い、ドリーミュージックの社長の目に留まったことからである。
要約するに、文化祭の出し物をたーまたま音楽会社の社長の目に留まりデビュー、と主張。だれか嘘のつき方を教えてあげろ。
「早稲田祭2003」において初ライブをおこなう。レコード会社関係者から平原綾香の歌を聴いた学生が、力強く、素晴らしい歌唱力で、ぜひ多くの人に聴いてもらいたいと思い「早稲田祭2003」で教室を会場としたデビュー前イベントを企画。1週間前に急きょ決まったため教室が確保できず、うるとらカフェでの開催となった。その模様がTBSテレビ『いのちの響』で放映された。
本気か冗談かギリギリ判断に迷うところだが、大真面目らしい。事の運び方がギャグ漫画だ。
そしてデビュー曲がTBSで放映された金八先生のタイアップに大抜擢。家賃滞納して毎日バイトで夜勤入りながらバンド活動頑張っている世のバンドマンのみなさん、眩しすぎて目も潰れそうですがこれが現実だ。コネ、是非ともコネコネしてえよな。
しかもシンガソングライターを名乗りながら、タイアップのかかった大一番では高確率で作詞作曲編曲、全て本人以外の人間が出てきている。著作権・印税・実力、いろいろな闇が見え隠れする。見たい人以外は見なければ良い闇だ、「良い曲だなー」何事もそれ以上考えるな、調べるな。楽しく生きたいなら思考を止めろ。
逆に売り出す側の視点で考えてみよう。歌とルックスがある程度お茶の間に許容される範囲なら、相当に秀でた武器を持った人間以外誰を選ぼうが同じ、だろう。僕はプロデューサーでもなんでもないが素人目に考えればそう思われる。AKBのメンバーが同レベルの他の誰であってもこの状況下であれば結果は変わらない。顧客側が勝手に演者にコンテンツ性を見出してくれるだろう、あいつはダンスが一生懸命!とか言って。
繰り返すようだがコネなんてものは何にも悪いもんじゃない。ないから僻むだけであって、あれば僕だって最大限使う。親が金持ち、たまたま組んだバンドのメンバーが天才、とかそういうのだって、コネと言えばコネだ。人間手持ちのカードで最大限の勝負を挑んでいくしかないのである。
そう考えれば、彼女はスターに足る人間だった。そう言えるハズだ。みなさんが嫌う著名人、だれもがそうだろう。実直にバンド活動をし、正攻法で評価を受けようとするか、裏口を探し打算的に最効率の方法で成功を狙う。どれもあなたの選択だ。前者はカッコイイし、後ろめたさもない、胸も張れる。しかしそれらは裏口からの闘いを放棄したが故に得られたメリットでもある。デメリットも甘んじて享受すべきだろう。もちろん、後者だってこういうサイトにこうやって後ろ暗い部分を触れられたりもするし、人から僻まれれたりもする。
上手く立ち回れば、同じことをやっていても結果は大きく変わってくる。コネは実力には含まれないにしろ、あなたの実力への周囲の評価に大きく影響するだろう。おそ松さん二期のOPに採用されれば、地元の無名バンドだって一撃スターダムワンチャンブッパ。そんな感じ。
拗ねることなく、コネも含めてもう一度あなたのバンドについて考えてみてはいかがだろうか。