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2015/09/07

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おろそかにしてない?ネット上での正しいバンド宣伝方法。

 ライブで着実にファンを増やすのも大事だが、どうしても限界というものがある。実際に顔を合わせて曲を聴かせるには世の中は広すぎるだろう。一歩抜け出して知名度を上げるにはやはり今の時代インターネットの力は欠かせない。しかしきっと頭ではわかっているものの、いまいちその点がおろそかになりがちなバンドが多いのが現状だ。

 そんな迷えるバンドの為に、あなたのバンド活動をどのようにネットで宣伝してゆくべきかについて考えようと思う。
今回はYoutube、プレスリリース、SNSの三本立てだ。ではさっそく見ていこう。

 

Youtube

「Youtubeの登場によって音楽は衰退してしまった」
そんな話をしばしば目にするが、損害を受けているのは主にメジャーレーベルに所属しているような有名アーティストたちの話であって、むしろ駆け出しのバンドにとってはこの状況は大きなチャンスだ。

 現在では当然のように誰もが利用しているYoutubeだが、よくよく考えればとんでもないサービスである。無料で視聴・投稿が可能で、パソコンだけでなく携帯電話からの視聴も可能。読み込み時間を待つ事はほとんどなく、内部インデックスまで完備している。一つの画像を見るのにリンクを辿り、5分間パソコンの前でじっと待っていた時代からしたら魔法のような話だ。こんな便利な代物、最大限有効活用しない手は無い。というわけでYoutubeを利用するにあたって是非押さえておきたいポイントを挙げよう。

 

動画をつける

「バンドなんだから音楽で勝負、動画なんかいらないぜ」
気持ちはわからないではないが、若さと美徳で飯は食えない。使える物は使うべきだ。

 胡散臭い話だが、人間の知覚の83%は視覚情報が占めているらしい、聴覚は11%だそうな。この理屈で行くと動画は音楽の8倍大事だ。実際に思い浮かべて欲しい、楽曲を思い出すとき、その当時聴いていた時の情景や、その曲のMVが思い出されると思う。アニメのオープニングの曲なんかは必ずアニメ映像が抱き合わせで頭に去来する。特に僕のような単純な人間は曲よりもMV先攻でそのバンドを憶えてしまっていたりするくらいだ。

 加えて動画がついていると、とりあえず楽曲に惹かれずともなんとなく見てしまったりする。特にストーリーがあるような、先が気になるような映像はついつい最後まで見てしまう。Youtubeにはありあまるほど楽曲が埋もれており、最近のリスナーは少々気が短くなっている。通して聴くと良い曲なのに、最初のサビ、悪いときはイントロでブラウザバックを押されてしまうことも少なくない。それを防ぐ為には映像の力を借りるのも悪くないだろう。それで楽曲を最後まで聴いてくれるのなら万々歳だ。ネット上での一期一会の出会いを無駄にしないために、映像も使ってリスナーに訴えかけてゆこう。

 

歌詞を表示する

 軽視されがちだが、多くのリスナーにとって歌詞は大変重要な要素だ。歌詞でその楽曲を好きになる、ということもあるだろう。

 そんな歌詞だが音源だけではなかなか伝わりづらい。ボーカルの力量や楽曲にもよるが、どんなにがんばっても1回の試聴で理解できるのはせいぜい6割。聴く側もリスニングのテストのように聞き耳をたててくれるわけでもないので、現実問題2割も理解されてもらえないと思っていいだろう。

 というわけでせっかく動画なんだから書いてしまえばいいのだ。バンド名曲名もナンバーガールよろしく極太特大フォントで出してしまえば良い。意識して見てみると最近MVに歌詞を表示するバンドは増えてきているように思える。amazarashiなんかはライブでもステージ背面に歌詞を表示したりする程だ。というわけで歌詞は書こう。特に歌詞に自信があるバンドは見せ方も工夫してみるといいかもしれない。

 

音源をしっかりと録る

 当然の話だよ。と思われるかもしれないが、音源がしっかりしているバンドは意外と少ない。

 理想は相応のお金を払ってしっかりとした環境で録音・ミックスをすることだが、バンドマンという生き物は何の因果か基本的に貧乏だ。そこでいろいろ手を抜いて半端な音源になってしまいがちである。かなりキツい物言いになってしまうが、半端な音源を作るくらいなら作らない方が良い。安物買いの銭失いだ。しかしかといってお金の問題はどうすることもできないのもまた事実、そんなあなたの為にローコストで聴ける音源を作るハウツーを・・・と言いたいところだがこれを書き出すとまた一つ別の記事が書けてしまうぐらいのボリュームになってしまう。詳しくは後日、ミックスやDTMに精通しているジョルジュ君が書いてくれるだろう。よろしくジョルジュ君、任せた。

 とにかく楽曲はネット上ではあなたのバンドそのものとなる。一番手を抜いてはダメな部分だ。このサイトでも新人発掘に自薦他薦をくれるバンドが多数あるが、音源のクオリティ上泣く泣く見送っているバンドもある。とりあえずお母さんに聴かせてプロと勘違いしてもらえる程度まではがんばろう。

 

音楽以外も載せる

 バンドの方向性にもよるが、是非お勧めしたい手法だ。ネット上に不足しがちな人間味を演出できる手段の一つだ。ファンは音楽だけに惹かれてバンドを応援するばかりではない。そのバンドに対する愛着などを付加価値にして音楽を聴いている側面もあるだろう。ライブ活動の意義や強みもこの部分に起因する。MCで見られるメンバー間のやり取りや、物販で交わした一言二言から親近感を覚え、それをきっかけにファンになることも珍しくない。

 とは言ってもインターネットという膜を一枚通して人となりを理解してもらうのは難しい。いくら人間味のある歌詞を書いていたとしてもMVだけじゃ限界があるだろう。というわけで音楽以外も載せてゆこう、というわけだ。かなり特殊な例だが、この手法で大成功したのが神聖かまってちゃんだ。フロントマンの奇行ばかり目に付きあまり良いイメージを持っていない人もいると思うが、ネット上でのマーケティング最大限に駆使し、個人規模ではネットからの露出に最も成功したバンドの一つだ。もちろんここまで書いた事は全てやっている。

「音楽以外も載せよ。ということだけど一体何を載せたら?」
 なんでもいいのである。練習風景でもいいし、スタジオ後のファミレスでの様子でもいいし、打ち上げの様子でもいい、いやいっそ何かの企画でもいいだろう。

 ここで一点注意しないといけないのが"バンドのイメージを崩さないように"ということだ。例を挙げれば"死にたい""鬱だつらい"みたいな歌詞が中心のバンドがあまりに楽しそうにしているのはちょっと、ということだ。いやここら辺はみなさん心得ているだろうが…

 というわけで上の例に当てはまらないバンドは是非試してみてほしい。動画を見てもらえる程度の知名度のあるバンドなら多少なりとも効果はあるだろう。

 

プレスリリース

 プレスリリースとは、各種メディアに自分たちの活動を掲載してもらう"お願い"ことだ。たとえばナタリーだとこんな感じ。見てもらえばわかるがこの通り意外とオープンだ。偉い人のツテがなきゃダメとかそんな堅いものでもないのだ。

 しかし掲載してもらえるかはまた別の話だ。少しでも掲載してもらえる可能性を増やすためにしっかりとしたプレスリリースを書くべきだろう。書き方はインターネットを漁ればたくさんでてくるのでここでは割愛させていただく。

 これを読んでいる人はご存知かと思うが、地下室TIMESも掲載希望を受け付けている。良ければ是非送ってみてほしい。

 

SNS

 常々思っていることだが、バンドマンはSNSの利用の仕方が下手だ。震えがくるほど下手だ。

 具体例を挙げよう。まずライブの告知が下手だ。何かつぶやいたと思えば告知、告知告知告知、1ライブ10告知。なにを考えているんだね…?

 逆にお尋ねするが、服屋などであなたがちょっと気になった服を手に取った時、店員に「買いますか?買いますか買いますか買いますか?」と機械のように連呼されて購買意欲は湧くだろうか?僕ならその服屋、二度と行かない。そもそも同じような文章を何回も見せられると頭がその文字を認識しなくなる。ずいぶん前にフォローしたbotのつぶやきが自然に目に留まらなくなる現象と同じだ。いや見られないだけならまだしもずっとそんな調子ではファンも愛想を尽かしてフォローを外すだろう。

 似たような事例でライブが終わった後エゴサーチをし、ひたすら賞賛をリツイートし続ける光景も良く見る。あれは誰に向けたものなんだね…?褒められて嬉しいのはわかるが、これも嫌われる一因となるのでやめよう。喜びはメンバーとわかちあってくれ。

-じゃあ何を呟けばいいか?

 ここで上記の"ネット上に不足しがちな人間味を演出"だ。SNSはその恰好の舞台である。うっとうしくない程度にあなたたちの日常を多少のユーモアに包んでお届けしよう。時にはリプライを送るのも良いだろう。しかしその場合は"過度な馴れ合い"にならないように気を付けよう。最終的にはツイッターがあなたのバンドを知るきっかけになれば最高だ。

 

終わりに

 少しは参考になっただろうか。内容がかなり膨らんでしまい一つ一つがアバウトになってしまったので、またの機会に各々掘り下げていきたい。

 大した内容ではないが、この記事があなたの音楽活動に役立てば幸いだ。

 それではまた次の記事で。

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