音楽ドラッグ、または生活音 How to count one to ten
How to count one to tenはギター三人(またはギター2人シンセ1人)、ベース、ドラムからなる5人組ポストロックバンドだ。
彼らの奏でる音楽は非常にポップでありながらも計算され尽くした音の配置、コード進行など知的な一面も見せている。
日本のポストロックの代表といえばtoe。そのtoeのDr柏倉氏に
「最初聞いた時、僕には何故か凄く素朴に聞こえました。なんでだろうと考えました。そこにはきっと音楽が好きで好きでたまらない気持を感じたからだと思います。素朴に純粋に音楽人が作った素晴らしい作品だと思いました。」
と絶賛されたのである。
一体どのようなバンドなのか?
彼らの楽曲にはメインとなるメロディーを奏でるいわゆる「リード」をとるパートは存在しない。
三本のギターが交互に音を繰り出し、それがひとつの旋律となってリスナーの耳に届く。
…気持ちいい。…とても気持ちよくはないだろうか?
自分はドラッグというものに手を染めたことも、染める気もさらさらないがおそらくこの感覚はドラッグのそれ。
まさに「音楽ドラッグ」。
「ドラッグキメたいけど御用になるのはちょっと…」というにわかジャンキーにはうってつけのバンドだ!
さらに彼らの大きな特徴として音を歪ませないクリーントーンを徹底しているところにある。
ポストロックの十八番である最初はクリーントーンで美しい音を奏でたあとに盛り上がりどころで
「ぴぃぃぃぃーーーーー!!!」
「ガガァァァァーーーーーー!!!」
という音を歪ませ、轟音を鳴らし、リスナーの感情を高ぶらせるあれ。
非常に便利でとても使い勝手の良いあれができないわけだ。
彼らはあえて感情的なプレイを捨て、緻密に計算されたクールで知的なプレイを選択したのだと思われる。
「うるさいのはちょっと…」という方でもBGMのような感覚で流し聴きでき、生活の中に溶けこませる、イージーリスニングのように聴くことができるバンドなのだ!
それらすべての仕掛け人であるG/Key奥原祐太氏。彼がすべての楽曲の録音、ミックス、マスタリングを担当しているそうだ。動画の上段真ん中のメガネの人です。とても知的そうですねー。
そんな彼らが2年ぶりに3rdEP「Method of slow motion」を発売した。
ポストロックと落語を融合させたという完成が全く想像もつかないような楽曲も収録されているようなので要チェックです!