新生活ならぬ、新機軸完成宣言!?「The Vanishing Bride」/BIGMAMA
春なのに肌寒い今日この頃、wonderprojectJKです。
この天気で桜も散ってしまいましたね。
進学、新生活、新社会人。
新たな一歩を踏み出すことがいいおいこの季節にピッタリな1枚をご紹介したいと思います。
春うららかな中、バンドの新章を告げるBIGMAMAのニューアルバムです。
BIGMAMA進化する
今回のアルバムを一言で表すなら、そんなイメージの一言がピッタリくるだろう。
「The Vanishing Bride」は今年2月にリリースされたBIGMAMAの2年ぶりとなるオリジナルアルバム。
途中に企画盤「Roclassicks2」を挟み、満を持してリリースされたバンドの最新形は、既存の彼らでは感じられなかったテイストが非常に多く感じられるものとなっている。
「進化」
特にそれがピンとくるものはこの一曲だろう。
今アルバムのリードトラックにこの曲が取り上げられたのが頷ける意欲的な実験作である。
イントロから今までのBIGMAMAではなかったサウンドアプローチに驚かされる。
中でも幾重にも重なるバイオリン。
それは、曲が走り始めてからも、まるでループ音源のように浮遊しつきまとって離れない。
ストリングスを打ち込みで入れてくるアーティストは数居れど、それはバンドサウンドの、曲のためのおかずでありこんなに前に、そして全体を構成する要素として使用する音楽は聴いたことがない。
ポップな歌メロが乗っているんで騙されがちだが、これはギターらも込みで非常に高度な弦楽重奏である。
ロックバンド+バイオリンと言った今までの形からの進化を色々模索しているのはこの一曲だけではない。
エレクトロな高速ビートで、ジェットコースターのように進んでいく様はポップパンクを得意としていた彼らからは考えられないようなコケティッシュでいながら心地の良い新しいパンキッシュさを感じる。
メロディーの感じはBIGMAMAなのに、今までの彼らじゃない感がスゴイ。
一聴すると「こんなバンドだったっけ?」となるのだが、ギリギリのところでちゃんとBIGMAMAしている。
バンド史上最大のスケールと言わしめたシングル曲「Sweet Dreams」ですら特別に感じないくらい、どの曲もキャラが強く、聴いていて飽きないバンドサウンドがたっぷり詰め込まれている。
それは、確実にバンドがネクストステージの扉を開き切り、一歩踏み出した証拠だろう。
変化の理由、進化の理由を考えたとすれば、メンバーそれぞれの音楽家としての解放があるんじゃないかと思う。
前作「君想う故に我在り」で神がかり的な疾走感と一体感を表現したバンドの先。
バンドとして一本の芯を通すことの先の風景への挑戦は「個」だったのだろう。
その象徴が、バイオリンの多重録音やビートの質感の多様化に始まる楽器各々のサウンドアプローチの変化だ。
全ての楽器の自由度が高まったことにより飛躍的に楽曲のハッピー度が増した感じがある。
このアルバムは間違いなく、BIGMAMA現時点での、最高傑作だ。
「The Vanishing Bride」
01.The Vanishing Bride
02.Flameout
03.Sweet Dreams(bittersweet)
04.A KITE
05.Frozen Diamond~漂う宝石~
06.Swan Song
07.ワンダーラスト
08.Lovers in a Suitcase
09.INVIS
10.Royalize
11.Theater of Mindv 12.Why You Refrigerate Me?
13.alongside
14.神様も言う通りに
BIGMAMAの過去の記事
↓
「泣き虫なお母さん。BIGMAMA」
素晴らしい音楽を、素晴らしい日常に。
Let’s sing A song 4 ever.