で、バズリズム2019はともかくとして、2018年度のランキングは当たっていたのか?
バンド業界ってのは音楽業界で言えば本当にちっちゃい井戸みたいなもんであって、滅多にテレビメディアなんかに露出することがない。井の中の蛙大海を知らずと言うが、海に行こうにも手段がないのだ。
言うなれば、差別階級みたいなものだ。テレビ様なんかはもうジャニーズ様とかKPOP様たちの占有物で、俺らみたいな下々の者が足を踏み入れていい場所じゃないのだ。
だから昨年末の紅白歌合戦でのSuchmosの
「臭くて汚ねえライブハウスから来ました!」
って啖呵はマジで皮肉が効いてて最高。あの後色々言われたみたいだけど俺はスゲーかっこいいと思いました。
バンドはテレビにマジで出たい
そんなテレビの出演枠、それこそ冠番組を持ってるジャニーズ事務所とかAKB48、LDHのみなさんからすれば当然の舞台なんだろうけど、音楽の零細企業であるバンド稼業の人間からすれば喉から全身が出るぐらい欲しい。たかだか30秒や1分の出演で人生が、生涯所得が、10倍以上変わることだってある。大げさでなく、本当の話です。
思い当たる実例で言うと
リーガルリリーなんかは関ジャムという番組に出演した途端に、紹介された楽曲(この曲)の再生数が爆発的に回り出し、当時はYouTubeって再生数の伸びグラフが見れたんだけれどその折れ線グラフは津波みたいな形になって、ワンマンライブの会場は2ランク上がり、2年が経過しようとしている今でもグングンと勢いを伸ばしている。
こういう言い方をすると「テレビパワーだけで売れたバンド」みたいに聴こえちゃうけど、そんなことはなく元々インディーズではかなり人気のあったバンドだし、テレビに出ても売れないバンドはたくさんいるわけで、まぎれもなく彼女たちの力で売れたんだけれど、もし関ジャムに出演していなかったら、今のようじゃ状況じゃなかったのも事実だ。そのぐらいテレビには未だに力がある。
バズリズム2019
そんなわけで、先日放送されたバズリズムのような番組は、バンド業界においてはお祭り騒ぎの一大事であり、事実バンド側も、ファン側も、SNS上じゃ大騒ぎだった。江戸の農村にジャスコができたぐらいの騒ぎ。出てないバンドまでバズリズムで大喜利していた。オイそういうところだぞ!!
なんだけど、俺はこのランキングに毎年なんかちょっと懐疑的で「金の匂いが、するぜ!」というのと「何を基準にしてるのか、まったくわからないぜ!」と、個人的にはめちゃめちゃいびつなランキングだと思う。
そりゃテレビのランキングだから金が絡むのは当たり前だけどそれにしてもパワープレイすぎませんか!?っていうバンドがまあまあいるし、もうすでに売れてるバンドと全く名前を聞かないバンドが隣り合ってるのもわからん。というか、セールスの伸び率なのか、トップセラーランキングなのか、わからん。バンドじゃない人もまあまあいるのに歌い手とかは含まれないし、マジでわからん。
いいんですよ別に、好きにやってくれて、ランキングなんかね。「主観ッス!」って言われたらおしまいだもん。未来をピタリと言い当てることもできないしね。1位のバンドが明日全員死ぬかもしれないし。
ただ、このバンドというちっちゃい村に、やっとできたジャスコですよ。村人みんなが有難がって神棚に飾るようなランキングなわけで、これがさ、ムチャクチャなのは、いくらなんでも村民が可哀想だろと、オイ聞いてるかバカリズム、怒ってるぞ俺は。貴様の頭、持つとしたら、こうだ。(髪を掴み生首を切るジェスチャー)
というわけで2018年のランキングを精査したい
今年のランキングがどうなるかはあと360日ぐらいわからないままなので、去年のランキングの答え合わせをしようかなと。
そんなわけで*去年のヤツ
くじ引きで決めた?
ヤベーランキングでてきたぜオイ。モンドセレクション以下。6位のBiSH!高度なギャグ。民放にしても攻めすぎだぜ!!
全部洗うと、クソ長き記事になるので気になった部分だけ。いや本当は全部気になるんだけど。かすってる部分あるこれ?
1位 CHAI
やっとる。SONY MUSICが日テレを札束で愛撫してる音が聞こえるぜ!!
これはもう去年の時点は俺はもう、もう!文句がもうすごかったんですけど。いくら業界の後押しが強くたって、こんな一筋縄ではいかぬ音楽性のバンドが一朝一夕で売れるわけがない。事実、プッシュの割にはセールスには直結していない。少なくとも1位の伸び方ではない。今年のランキングのどこにもいないのも、ヤバい。
見た目に反して実力派の実直なバンドなので、もっとジワジワ長い時間をかけてしっかり人気が出ていくバンドだと個人的には思います。もっと大切に扱われて欲しい。
9位 Saucy Dog
個人的に1位は、Saucy Dogかなと。
MASH A&Rで優勝し、そのままの勢いで突入した2018年。もちろん元々期待されていたバンドだったけれどそれにしても去年一年の躍進は異様の一言。業界のパワーみたいなものもなく、順当に、爆発的に売れた。
今流行りの中性的な声質とか、直接表現の少ない歌詞性とか、確かに売れる要素の詰まったバンドだったけれど、筆頭曲がバラードにもかかわらずこの伸び方はちょっと誰も予想していなかった。ちょっと違うけど、聴かせるラブソングメーカーと考えれば次期Back Number筆頭。2019年はドラマのタイアップでもキメてさらに大ジャンプカマすんじゃないでしょうか。
13位 おいしくるメロンパン
おいしくるメロンパンもトビ方がえげつなかった。
サウシーと同じくコンテスト出身だが、彼らとはまた別の層に火が付いて人気を加速させた印象。
俺が聴くとデパートの女性下着コーナーにいるような居心地の悪さを感じるぐらい音楽がマジでメス。メスミュージック。聴いてるとホルモンバランス崩れそう。
業界の評価よりも、ファンからの支持を着実に集めて売れたバンド。13位という位置づけもそういう所から来てそう。2018年1月時点ではTOP3には確実に入る勢いだったと思いますし。そういう意味でもこのランキングはいびつだなと。
16位 coldrain
スタッフに5年前からタイムスリップしてきた奴がいるなこれ。
なぜ今?というのが率直な感想。既に売れとる。俺が数1Aとかやってた時から売れとる。絶対本人たちも困惑しとる。武道館公演おめでとうございました。
17位 Lenny code fiction
誰?
日本人に黒人の方の顔が見分けがつかないように、バンドにあまり普段触れない生活をなさってるみなさんからすると、同じくバンドに見えますでしょうが、マジで浮いてる。BiSHより遠い。ジャクソン5の中に一人だけケニア人いる感じ。おわかりいただけますでしょうか。
これが入るなら歌い手もKPOPもYouTuberも入れていいし、ていうかBiSHいるならアイドルもアリになる。どちらかというとアニソン歌手としての側面が強く、メジャーレーベル主導の、前で言えばフランプールとかああいう区分のバンドだ。イケメン連れてきてタイアップでゴリゴリに売るタイプのバンド。
売り出した時期的におあつらえ向きだったのはわかるが、こういう毛色の違う所に引っ張り出してくるのは彼らにも他のバンドにもメリットがないはず。なぜ?という
まとめ
最後に、感じた違和感で大まかに区分してみた。
・毛色が違いすぎる
BiSH ReN Lenny code fiction 日食なつこ
・玄人好みすぎる
CHAI ドミコ 2 MONO NO AWARE Tempalay 愛はズボーン
・今年バズる!というバンドじゃない(既に売れてたり、横ばいだったり)
Ivy to fraudulent game フレンズ coldrain サイダーガール
・ランキング位置よりも売れた
ハルカミライ Hump Back Saucy Dog おいしくるメロンパン King Gnu SUNNY CAR WASH
他は順当に、着実に売れて言っているか、失礼なので名前は挙げないが全く去年は反響がなかった。
ハルカミライ SIX LOUGE Hump Backのナインスアポロ勢強かったですね去年。たぶん今年も強い。特にハルカミライがヤバそう。所属バンドも増えているし勢い止まらないんじゃないかと。
露骨に何かしらの力でランキングに捻じ込まれてるバンドは、やっぱりあんまり反響がなかったみたいだし、それだったらばもっと他の有力なバンドを出してあげてほしいなと思います俺は。
邦楽のファンはけっこう楽しみにしているランキングなので、視聴者の為にも。
2019年のランキングも、ええ… という感じですが、今回はこの辺で。
それでは~。