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野田洋次郎のソロプロジェクトillionが、RADIOHEADすぎる

 ヤバい。急げ、今すぐ聴いて。

 マジかよ。寝起きで「トムヨークの新作です」つって聴かされたら「なるほど~」って返事して何の疑問も抱かず二度寝する出来栄え。

 邦楽専門リスナーには「Radiohead?あのサマソニ来てた人ですか」ぐらいの人も、まぁまぁいらっしゃると思われる。のでザックリとレディヘの紹介をしようと思う。

 

初期

 天才。

 

中期

 天才。

 

最近

 老けすぎ。どうしたトムヨ。

 RadioheadはUKを代表するロックバンドの一つ、世界規模で言えば安倍晋三より有名。

 2ndのBendsまでは割とロックサウンドだったんだけど、3rd以降は狂気的な実験音楽が主軸。言葉で説明しようのない音楽だから、OK ComputerでもHail To The Thiefでもいいから借りて聴いてください。どんな秘境のTSUTAYAにも絶対あるから。

 illionの今作が似ているのは、中期以降のレディヘ。エフェクト掛かりすぎてトムヨークがボヤボヤになってエドがマラカスみたいなやつブンブン振ってた頃のレディヘ。

 

何が似ているのか

 これがもう一曲の方。似てるー。

「似てる」で済ますのは簡単なんだけど、実際のところどこが似てるんだろうか。

 

・声

 まず声が似てる。今まで一切気が付かなかったけどトムヨと野田ヨは声似てる。この曲を聴いて初めてこの気づきに直面した。これは一種のアハ体験みたいなものかもしれない。アハ体験の一例を挙げよう。

 以前より、時たま「RADってBUMPのパクりバンドだよね」「声一緒だよね」なんていう声を耳にしていた。そのたび「なんてナンセンスな」「まったく別物じゃないか」「最近のボーカル全員をBUMPに喩えるのは成人病の一種ぞ!暴論だ!」とすら思っていた。

 思っていたんだけど、先日RADの記事を書いた際も「BUMPに声が似てますよね」みたいな意見が大量に寄せられてきて。「みんなそんなに言うならそうかもしれない」とよくよく聴いてみたら、たしかにシャクリ上げ方とか似てる!とそこでやっと類似性に気が付いた。一度気が付いてしまうともうそういう風にばっかり聴こえてしまったりする。人間の脳って思い込み激しいんだね。

 一抹の確信を持って「あの人、俳優の○○に似てない?」と人に言って「え、全然似てないじゃん」みたいなこと言われたことないですか。僕はめっちゃある。これも同じ現象で、人間て他人の顔のどこか一部だけをすごいファジーに捉えていて、その捉え方によって人によって全然違う印象に見えているらしい。で、たまたま近い印象で捉えている人が既にいると「似ている!」となっちゃうみたいだ。野田洋次郎と吉田沙保里が似ていると思う人思わん人の差はそういうところにあるんでしょう。

 並べて聴いてみると「え、けっこうトムヨークじゃないな」となったんだけど、単体で聴いてるとマジでトムヨーク。たぶん出だしのメロディとかがRadioheadっぽいから余計に思い込まされるんだと思う。

 

・曲

 両方ともRadioheadで聞き覚えのある曲調。でも通して聴くと意外とキャッチーだし日本人的、ハイライトの方は途中でスラック入ってくるし疑念を押し戻されるんだけど、入り口部分が歌メロと相まって中期以降のレディオヘッド感が出るらしい。

 

・スペル

 Radiohead

 Radwimps

 

パクりか

 パクってるパクられてるの話は摩耗するのであまり触れたくないんだけど、誰かが「パクりだ!」と騒ぎだすことがある程度予想されるので先に僕の個人的な見解を示したい。パクりという感じではないと思います。

 そもそも音楽は誰かが思いついたアイデアを模倣して別の形で提案することの繰り返しの文化であり、その模倣しきれなくて自分部分が出てしまったり、新しいアイデアを足してみた部分がオリジナリティだったりで、それがまた新しい模倣対象になっての繰り返しだ。極端なことを言えばどのジャンルも始祖のパクりだ。パクりと言わずに改良と言い変えると世界が多少優しくなるかもしれない。いや改悪の場合もあるけどそれは別件として。

 じゃあ真似しまくっていいの!?と話は進むが、そういうワケでもないんじゃないか。

 どういう模倣がまずいか、アヤフヤな線だけれど世の中の多くの人が「それはねえだろ!」と思ったとき。例えば引用元への敬意が著しく欠けているとき。メロディも進行も丸ごと借用してたりして、明確な引用元からお怒りを買ったときとか。

 illionの二曲に関してはRadioheadに全く同じ曲があるわけじゃなくて、曲の雰囲気が近いだけだ。別にレディヘだけを参考にしたわけでもないでしょう。

 ただこれエフェクトとか歌い方のせいで一部声がトムヨークに聴こえすぎるから僕も「ヤッバ」ってなって記事書いちゃってるんでしょうね。

 

 そんなこと書いていたら、なんか逆にトムヨークの声が野田洋次郎に聴こえてきた。もう勘弁してくれ。

 この曲もともとRadioheadが好きな人と、今初めて聴いた人じゃ意見が分かれそうだ。

 みなさんは似てると思いますか、それともまったくわかりませんか。どうでしょう。

 

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