みんなの邦楽ロックの定義、ガバガバじゃない? ~カレー編~
オイオイどうした。そんなヤマサキセイヤがサビ前に絶叫してる時みたいな顔して。
まあ、落ち着いて聞いてほしいんだけど、邦楽ロックはカレーだと思うんだよ。
カレーは好き?俺は大好きだよカレー。だって日本人だもの。
食は人間に与えられた最もプリミティブな娯楽だ。飯がウマい=しあわせ。たとえ重度の鬱病患者であってもウマい飯を食っている時だけは幸せの波に飲まれてしまう。
そう考えている俺は飯に妥協はしない。大好きなカレーを週3ぐらいで食ってる。っていうかカレーって1回作ると2~3日ぶっ続けで食わなきゃ食いきれない。去年の夏なんか1カ月くらいずっとカレーばっか食ってたら全身がスパイシーになってきてな、身体がカレーになりかけたよ。っていうか、ほぼなってた。嘘だと思うなら試してみろ、俺みたいに人間に戻れなくなっても知らんぞ。
そんなカレーにも、いろいろあるだろ。ネパール人がやってる1000円代のナン食べ放題インドカレーから喫茶店の凝ったカレー、家出から補導されて帰ってきた日の母さんのカレー、カップヌードル、松屋、そう色々だ。俺はその各々が好きだ。しかしね、どこからどこまでがカレーか、そしてどこからがカレーじゃないか。そういう「カレーのボーダーライン」があるはずだ。茶色かったらカレー?じゃあEXILEはカレーですか?
そう考えると、音楽という広いカテゴリにおける邦楽ロックは、料理におけるカレーと同じくごくごく限られた定義に絞り込まれたコンテンツじゃなかろうか。
音楽的にはどうか
ここからが真面目な話だ。
カレーは料理として以下のように定義されている。
多種類の香辛料を併用して食材を味付けするというインド料理の特徴的な調理法を用いた料理に対し、欧米人が名付けた呼称。
じゃあ邦楽ロックは音楽としてどのように定義したらよいのだろうか。洋楽ロックや邦楽ポップとの境目はどこだろうか。
まず今の10代が邦楽ロックとして聴いている音楽の代表例を挙げていくと。
・KANA-BOON
・ONE OK ROCK
・[Alexandros]
・BUMP OF CHICKEN
・SEKAI NO OWARI
・米津玄師
らへんになるらしい。定義にうるさい人たちであればこの並びに何か違和感を感じたのではないだろうか。特に最後2つに。
そうだね、ロックバンドでは、ない。音楽的ルーツもロックというよりはポップから来ているように思われる。セカオワなんか今エレクトロポップかEDMみたいな状態だしな。
しかし今世間で邦ロックと言えばこの二つはすっかり含まれる。言葉は話者たちの認識によって定義を広げていく。この記事で言う「邦楽ロック」は今の10代から20代が言う「邦楽ロック」として話を進めて行きたい。
現状を見渡すに、現代で言われる邦楽ロックは「日本人であり、メンバーが楽器演奏の一部または全部を担っているもので、TOKIOでないもの」だと思われる。あとHEY SAY JUMP!もだめらしいよ。俺は伊野尾がこれからめざましテレビで見れるのがとても嬉しいよ。
リサーチした所、高橋優とかmiwaも邦楽ロックに含有されてしまうらしい。フォークは死んだ。完全にロックンロールの精神とは対極の位置にある彼らだが世の中的には邦楽ロックのようだ。
となると、話はちょっと戻るけれどTOKIOが含まれないのおかしくない!?と思うワケだよ俺は。TOKIOはカレーだよ。
うん。カレーで良いよ。上で現在の意味上の"邦楽ロック"として話を進めると書いたが、それにしても
「TOKIOがカレーじゃないのに、これ、カレーなの!?」
ていうバンドを羅列したい。ファンに怒られてもいい。いやお前らそんなんで怒ってたら大人になって市役所とかに手続にいったら各窓口でキレなきゃやってけねえぞ。チャイ飲んで落ち着け。
・flumpool
サウンドがシンセとピアノ中心だ。どれだけ耳をそばだててもギターの音がアコギのアタック音しか聴こえない。売り出され方としては、バンドっていうよりはメジャーアーティストでメディア上でのポジショニングは昔のポルノグラフィティとかに近い?
・back number
シンセが入っているだけで曲は歌詞とメロディがウリの日本人らしいポップバンドだが、これも売り出され方や自出で考えるとカレー感が薄い。怒らないで欲しいんだけど、ポジションはファンモンとかと同じだ。そういう違和感を感じる。
・Goose House
許さん。
俺はカレーが好きだからこそお前らにはちゃんと良いカレーを食ってほしい。別に間違ったマズいカレー食ってるぞ!!って話じゃないんだよ。
「このカレーおいしいね!!」
つってな、ハヤシライス食ってる子供たちにはきちんと「それは、Hashed Beef」と伝えたいだけなんだよ。あとまあ、ただ単純に面白がってるだけだよ、ゴメン。
ハヤシライスは後でいい
これは後日詳しく書きたい話なのでサラっと終わらたいのだけれど、上のハヤシライスやオムライスのような音楽はね、大人になってから聴いたほうが楽しいと俺は思う。
彼らの役割から考えても、音楽に興味のない小学生から音楽大好きなオッサンまである程度聴けるように作ってある。音楽的にしっかりしている。オッサンになってから懐かしんで聴くぐらいが良いのだ。
と、思えば邦楽ロックなんか若いうちじゃないと聴けないのだ。音圧バキバキのウルサイ音楽は結構聴くのに体力を使う。ライブに行って大騒ぎするにも平日昼夜もなく働いて疲れた体にゃキツい。ていうか曲を作ってる人間からして半分素人の若者なわけだからある程度ガッタガタな音楽なのだ。だから面白い。きたねえ喫茶店のヨボヨボのジジイが作ったカレーこそ俺は好きだよ。そういう精神。
「でも、私たちにはまだどれがカレーでどれがハヤシだかわからないよ…」
食いまくれ、それしかない。カレーが好きなんだろ?四六時中飲め。お前がカレーになれ。大丈夫、君ならなれるよ。カレーみたいな顔してるしなお前。
右も左もわからない状態で音楽聴きまくったらなにがなんだかわからなくなるのは当然だ。たぶん今活躍しているバンドのみなさんだって最初はその状態から始まってBUMPのコピバンしたりして今があるワケだ。
昨今の邦楽ロックのブレブレの定義は、それだけ若者に音楽が身近なものになったからだと思われる。カレー入門者が増えたことはカレー界にとって前向きな事だと言える。だからこそ入門編で終わらずカレーの深淵を究めて欲しい。
今回はなんだか少し辛口な記事になってしまったな。
そう、カレーだけにね。
は?