新しいベースヒーローの形。Thundercat
あなたはベースヒーローと聴いて誰を思い浮かべるだろうか?
レッチリのフリー、ビリーシーン、ジャコパストリアス、ビクターウッテン、マーカスミラー。
日本だとひなっちあたりだろうか。
パッと思いついて書き出しただけでも結構いる。
意外とベースヒーローなんてのはポピュラーなものなのかもしれない。
何故彼らはベースヒーローなのだろうか?
答えは簡単、ベースが上手いからである。
それ以外にベースヒーローたる資格があるかって?
私はあると思うんだ。
だからこそ彼、Thundercatのことを新しいベースヒーローと銘打った。
Thundercat!?
彼の音楽についてあれこれ言う前に簡単に彼のプロフィール等を紹介しておこう。
ThundercatことStephan brunerは米国、カリフォルニア出身のベーシストである。
現在30才。今までのキャリアを考えればまだまだ若い。
家族全員ミュージシャンの音楽一家に生まれる。
彼のキャリアはロバート・トゥルージロの後釜としてスイサイダル・テンデンシーズに加入することから始まる。
ロバート・トゥルージロといえばオジーオズボーンやメタリカなどでインパクトと勢いのある顔面で有名なベーシストだ。
そんなロバートさんの代わりをわずか16才で埋めることになった天才が彼、Thundercatである。
今は彼自身のソロプロジェクトや様々な有名アーティストの客演などをしている。
シンガーソングライターベーシスト
そう彼、Thundercatはベースが最高に上手いだけでなく、めっちゃ歌うし、曲も書く。
既存のベースヒーロー達が、曲に対してベースを弾くことで、ベーシストとして音楽を表現するのに対して、
彼は作曲、歌、ベース、そう音楽全体を通して表現するのだ。
そしてそれが非常にかっこいい。
と言うことで百聞は一見にしかずだ。彼のライブの様子を見てみて欲しい。
Thundercat - Is It Love?
是非注目してほしいのが、その音数の少なさである。
後半のソロパートに入るまでは殆ど、歌とベースとドラムしかいない。
たったそれだけしかなっていないのに圧倒的な奥行きをを表現している。
私はこれが彼の卓越したコード感覚のなせる技なのではないかと思う。
音楽の三大要素メロディ、ハーモニー、リズムの中でベースは主にハーモニーとリズムを担当する。
逆に言えばハーモニーとリズムへの理解こそがベーシストの良し悪しに直結するということである。
彼のベーシストとしてのキャリアだろうか。
ハーモニーとリズムのつぼをついたベース、ボーカル。
全ての音が最大限に生かされる曲構成。
私は彼の音楽は彼がベーシストだったからこそ生まれた音楽であると思う。
ベーシストという観点から音楽全体をクリエイトする。
彼こそが新しいベースヒーローだ。