ちょっと通り過ぎるな。赤い公園を今一度聴け。
女なんか一人でも厄介なのに四人も集まったら手が付けられない。それが音楽の才格っていう形で発揮されちゃってるのがこのバンド赤い公園。
1stの公園デビューがリリースされた直後は騒ぎで、その時聴いた第一印象は
「この人たち、理解される気あんのかな」
そんな感じだった。
これも十分狂ってるんだけど、アルバムの中身はもう2段階ぐらい攻めたもので、ルーリードの幻の新作聴かされてるのかと耳を疑うような内容。表現としてやすっぽいからあんまり言いたくないんだけど、彼女たちは本物の天才だった。
邦楽ガールズバンド1stアルバム!つってこんなもん聴かされるんだからほとんどアンブッシュのようなもので、miwaとか家入レオみたいなものを「天才シンガー!」として電波を介して教育を行っている我が国では、これが理解されるのは大変困難だった。ニュージーランド周りに住む未開の部族に、メルカリを説明するようなもんである。
かねがねおれは「バンドが売れるには女性人気が必須だ」というイデオロギーを掲げているのだけれど、今一度これを訴えたい。考えてみてくださいよ。女の子って何人集まっても絵面として成り立つけど、男って3人も集まればもう臭いですからね。ガールズバンドの最前列に男が並んでるだけでもう寒気がして「こいつらと同族になりたくない」という気持ちで鼓膜が硬直してしまう。男のおれでもそうなんだから女の子なんかきっとなおさらでしょう。
今まで売れたガールズバンドを鑑みても、やっぱり女子たちの支持を集めているバンドが抜きんでていたとおもう。最近は特にその傾向が強い。「女子の憧れ!」みたいなバンドが支持されるようで。
それを踏まえて赤い公園。
なんだこれマジでクソかっけえ。画像ファイルサイズ360kbのうち200kbぐらいブルーバック。速度制限にみんなが怯える月末にカマす攻めの余白。いでたちもキマり過ぎてる。作画荒木飛呂彦。マジでかっこいい。
いやかっこいいんですけど女子が憧れるには距離がありすぎやしませんか。「seventeenからそろそろnon-noに乗り換えようかな?」ってしてる女子に突き付けられる突然の""装苑""という塩梅。
枕が長くなったんですけどもそんな赤い公園が最近シングルを出しまして。良いんですよ。そんなわけで赤い公園の天才性に置いてかれていってしまったみなさんに再度赤い公園を聴いてみてほしいなと筆をとりました。MV出てるのでまずは聴いてみてください。
天才が天才のまま世の中との間合いを縮めてきてる。つのまいさあんた一体。
アインシュタインが相対性理論を見出したことに驚いてたら、今度は世の中にもそれが簡単にわかるような説明方法を編み出したって感じ。
良い意味で、1stは洋楽の新作アルバムを聴いているような感触だったんだけど、その感触を残したままちゃんと邦楽になっている。手品かな?
みてくださいよ動画説明文。
赤い公園 今世紀最大の“きゅん”を詰め込んだ春を感じる胸キュンソング!
切ない恋を歌った密やかでささやかなラブソング
クソ面白い。なんか気の強い女友達のバイト着見ちゃったみたいな。このたとえキモいな。でもそういう気持ち。
王様のブランチのタイアップソングってのも良い。すごいもうおれは赤い公園をそういうところに聴いてほしい。もうオッサンは聴くな。おれのように家で静かに聴け。ライブも後ろの方で8x4脇に振りかけながら聴け。
さっきの話に戻るけれども、本当にデビュー当初騒いでたのマジでオッサンばっかりだったんですよ。しかも音楽詳しめの面倒なヤツ。ん??おれか???????
男が群がって花を枯らすってことはバンド業界では往々にしてあることなんだけど、赤い公園に関しては枯らすにはもったいなすぎるくらいの異才だった。だったし、枯れなかった。強すぎて。
猛烈リトミックから純情ランドセルまで、地続きで変化しながらずっと聴き手を圧倒し続けてる彼女たちだけど、最近なんかもう感度が鋭すぎる。とにかく「これかっこいいな」ということを理解できる間口は大きく広がったように思える。
入口さえ入ってしまえば何にも難しいことはなくて、あとは口をあけて「すげー」つって聴くだけですから。
赤い公園を通り過ぎていた人、知らなかった人、ぜひこの機会に新作から公園デビューまで下り聴きしてみませんか。普段聴いてる邦楽とまた別の感覚器を揺らして音楽の楽しみを広げてくれる良いバンドです。
それではまた。