mudy on the 昨晩が売れた時代があったんだよ。
流行り廃りというものは確かにあって、きっと今シーンを賑わせているバンドたちも、10年後には
「4つ打ちキノコヘア古くっさwやっぱ時代はダブステ黒人ハードモヒカンっしょ!w」
みたいなこと言われたりするんだろう。ていうかマジでありそう。いきなり妖怪が流行ったり六つ子が社会現象になったりする世の中だからな。もうなにが流行っても不思議じゃねえよ。
仮に昨今をTwitter時代と称するなら、mudy on the 昨晩が現れたあの時期あの時代はmixi時代とでもいうのか。みんなやってたよねmixi、当時の自分のアカウントとか知人のアカウントとか見るとハートにバシッ!と来るから、自殺したい時とかの最後の一押しとかに最適、オススメだよ。
それが良いか悪いかは置いておいて、ムーディはあの時代だからこそ現れることができた。僕はそんな風に思う。
残響世代が生んだマスロックというジャンルとmudy on the 昨晩、今日はこれらについて考えたい。
久々に聴いたけど、イントロからバリいかついな。こう、聴き慣れてしまっているからわかんないのだけど、最近の高校生とかが聴いたら古臭く感じるのかな。いやこのサイトで問いかけても、地下室TIMES読んでる高校生とかって精神性ねじ曲がってそうだから参考になんないな。きっとそこらへんの「邦ロックは酸素」とか言ってる子に聴かせたら「歌えよ(ワラ)」とか言われんだろうな。
冒頭であたかも「時代のおかげで売れた」ような口ぶりで彼らを紹介してしまったが、そう伝わっていたなら誤解だ。そりゃ9mmとかPeople in the Boxとかの出現でマスロックなるものが流行り、いっときの閃光ライオットなんかはそんなバンドで溢れかえりだ、右も左もマスロックみたいな時代の中で「クリーンで変拍子のアルペジオ重ねときゃ良かろう」みたいなバンドが2桁ダースは現れた。こう言ったら悪いが、そんなバンドは今見向きもされないし、その世代の真ん中にいた僕ですら聴く気になれないようなものが大半だ。
しかし一方で、ムーディのようなバンドがちゃんと人目に触れる事ができたのは、その時代にそれが流行って良かったことなんじゃないのか。だって、インストだよ?インストってだけで聴く側のハードルはグンと上がる。どんなに良い音楽をやっていても歌がないことが枷となって評価の壇上に立つことが許されない、なんてことは少なくない。ジャンルとしては他から一歩引っ込んだところに来てしまう。
しかしmudy on the 昨晩はそこから抜け出せた。そんでもってちゃんと多くの人に聴いてもらえた。
マスロックというジャンル自体、インストに向いていたようにも思える。演奏力で魅せるこのジャンルにインストバンドが現れたのは必然だろう。逆にtoeとかte'とかムーディで聴き慣れると歌の方が邪魔に思えてくるほどだ。
もうすぐ結成10周年の彼ら、過去の産物で終わらせるにはもったいなさすぎるバンドだ。ライブを見たことがない人は是非一度、彼らの演奏を見に行って欲しい。
[amazonjs asin="B003RVQ4TA" locale="JP" title="残響record Compilation vol.2"]