中村一義 パクリとオマージュの境界線
僕の大好きなミュージシャンに中村一義という人がいる。
僕にとって彼は一点の曇りもなく天才だが、一部から"剽窃作曲家"と揶揄されることがしばしばある。
剽窃、つまりパクり。
ある種そうだとも思う反面、それは浅墓でつまらない意見だと強く思う。
天才の彼は盗作の定義すらも捻じ曲げてしまった。
彼を知っている人も知らない人も、是非一度聴いて考えてみて欲しい。
三枚目、ERAより、ジュビリー
Eelsの Last Stop: This town
同じメロディを拝借している。もちろん後発は中村一義だ。
中村一義の犬と猫
BadfingerのNo matter what
まったく同じだ。
これがパクりじゃなきゃ何なのだ。と思う方も少なくないだろう。
パクり、先人の楽曲を自分の名義で出していることに間違いはない。
そういった意味で今回の枕の末尾でパクりであることを肯定した。
しかし彼はそれを隠す気はないし、その土俵で闘っていない。
事実ERAには"威風堂々 part1"という楽曲名でそのまま威風堂々のオーケストラをアレンジしたものを収録している。
それを踏まえて、余裕がある人は上の楽曲をもう一度聴き直してみて欲しい。
彼の偉大さはそのトラックメーカーとしてのアレンジ能力の高さだ。
これだけ同じ骨組、メロディを使って元の楽曲を崩さず自分の色を落とし込めるアレンジャーがどれほどいるだろうか。
自分の音楽遍歴を、一度咀嚼してからリスナーに吐きだしている。
紛れもなくこれらは彼の作品だ。むしろこのやり方で自分の楽曲として完成させる方がよっぽど難しいだろう。
ネタ切れや評価に目が眩み、バレないようにこそこそとメロディラインや構成をいじって発表されている楽曲たちの方が、むしろ低俗だと僕は思っている。
今回は彼のパクり云々についてのみに終始してしまったが、次回また紹介できる機会があれば彼の天才らしいエピソードについても触れたいなと思う
最後に僕が一番好きな楽曲を
マーキュリー・ミュージックエンタテインメント (1997-06-18)
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