ユナイテッドモンモンサンを聴く理由がわからない
上手くいってるバンドは上手くいってるだけあって「ああ、なるほど、ここがこうか…」と大体の場合納得が行き、売れてないバンドはその逆で「うーん、ここがちょっとなあ」とも思う。
しかしユナイテッドモンモンサンに関しては、なぜバンド運営が上手くいってるのか、点でわからない。Suck a stew dryの時は曲が最悪だ、と思っただけで、聴いてるファンたちが何に惹きつけられて(あるいは騙され誤魔化されて)聴いてるのか支持しているのかは良くわかった。だが今回のユナイテッドモンモンサンは「もう何がどうして…」と点で理解の範疇に及ばない。
人間が真に恐れるのは「得体が知れない」という状態だ。正体がまったくわからないものは自分にとって害なのか得なのか判断が付かず、不安を生み、不安はやがて恐怖になる。それが本当に正しいかは別として「こうだ!」という確証を持てさえすれば、安心できるのだ。
何度も飛び火して申し訳ないがSuck a stew dryやGoose Houseの場合は「これがこうでこうクソだけど、こういう理由でこういう人たちに支持されている」という風で自分の中でカタが付いたし、恐れることはなかった。
が、どうだろうモンモンさんよ。頭を捻るが、どうなんだよモンモンさん。
知らない人も多いだろう、とにかく曲を聴いてから話を進めよう。
hip land所属、hip land、hip land musicと言えば、インディーズレーベルの中では一二を争うしっかりしたレーベル。インディーズレーベル会の東芝。HIP LANDと聞くだけで「あ、じゃあちゃんとしたバンドだ」と聴く前から不思議なバイアスがかかるこのネームバリュー。余談だがレーベルにはやっぱり色があるので、アーティストを探す際はレーベルから探してみてもいいかもしれない。
で、曲。HIP LANDブランドをぶっ飛ばすレベルで稚拙。厳密に言えばイントロやAメロが長すぎるのとベースとギターが面白くないこと以外は、曲自体は悪くないんだけれどなんだ… このガタガタのミックスは…
あと動きのぎこちなさ、楽器持たせて一年の人間を連れてきたような不自然感。そして服のセンスがヘルい。センスのある中学生ぐらいのファッションだ。Availとかで買ってきたのかい?これは。
これ以上言うのは心が痛いが、YUKI好きなのがモロに出てるのもマイナスだ。人は何かしらに影響を受ける。何か作品を作ればその影響が垣間見えるのは仕方がない。しかしね、その1つがモロ全面に出ちゃうとそれはもう劣化版になってしまうよ。
Youtubeのコメント欄も、荒れている。何故だろう、YouTubeのコメント欄にコメント残す人間なんて土台から脳がラリってるハズだからある程度なんでも「まぢ、ぃぃ◎ 一生つぃてく*」みたいな感じで並ぶんだけど、怖いぐらい荒れてる。2chかハテブかここは…?
そんなユナイテッドモンモンサンもHIP LANDに所属して…
こうだ!!すげえ!!さすが東芝やでホンマ!!!
まずボーカル松岡が可愛くなった。顔面、服装、共に赤丸急上昇。妻になれるぜ、やったね。
ほらコメント欄も見てみよう、さっきのディストピアが嘘のよう。国内外から称賛を受けている。外人の妻になれる。
さっき挙げた問題点は全部改善されている。もう別のバンドだろこれ…
しかしそれにつけても、聴く人間の顔が見えてこない。安直な例で言えばサブカルマッシュの邦楽ロックなら「ああ、サブカル予備軍の中高生か」とか、セカオワなら「ああ、小卒か」とか、聴く人間の顔が思い浮かぶ。しかし、曲に問題は一切ないが「こういう人たちにむけて作りました!!!」という"商品臭さ"がない。いや商品っぽさはあるにしてもそれがどこを向いているのか、まったくわからんのだ。
さっきMVでめっちゃ可愛かったのになぜか今度は顔面の劣等感を唄っている。えええ…どうしたんだよ躁鬱かな?
ううん…わからん。でもファンはいるようだ。どんな人たちなんだろうか、最近のバンドサウンド+この女性ボーカルを待ってた!という層がいるらしい。ええ…誰だ…名乗り出てくれ…
曲が悪くても売り込み先がハッキリしてれば売れるし、その逆も真なり。ユナイテッドモンモンサンの曲は、音楽的な精度で言えば、良い。しかし繰り返しになるが向いてる方向がわからない。
「わたしこれ好きだよ!」
という人がいたら名乗り出て欲しい。それを参考にしばらく考えさせてほしい。