若者よ!女の子の裸の為に投票に行こう!Rock the Vote
ハーイ。突然解雇されて無職になったさやPだ。アメリカへようこそ。労働階級ガチ勢の仲間入りを果たしたよ!
11月の大統領選挙を控え、貧乏人と有色人種と障がい者が大嫌いなヅラ老害、ドナルド・トランプが世界を圧巻させているのは日本の皆もご存知の通り。
それを踏まえて今回紹介したいのが"Rock the Vote"というキャンペーン。若者に政治に興味を持ってもらい、より多くの人に投票を促す。アーティストやミュージシャンを起用しキャンペーンを行う非営利団体だ。1990年代から活動していて、古くはマドンナやエアロスミスが起用されていた。MTVとパートナーシップを結んでいるらしい。この団体を知ったきっかけは、十数年前のJK時代、エアロスミスが大好きだった私がMV集(しかもVHS)を見ていて、このRock the VoteのCMがあった事だ。当時の私は、民法のCMで「投票しろ」と訴える意味がわからず、どこの企業の何のCMなのか全く出来ないまま大人になり、十数年経ってようやく「若者に投票を促す団体」の広告と理解したのだ。協力アーティストリストを見ていると、Green Day、アリアナ・グランデ、ビヨンセなど世界中で支持を集めているミュージシャンが勢揃い。
日本では、まずこんなCMは見かけない。谷澤先生の記事にもあったように、お堅い政治とロックの距離が極めて遠い。政治とロック、元々は労働階級の嘆きを訴えたセックスピストルズだったり、レイジだったり、本来背中合わせに存在すべきものだと思う。彼女にフラれた事を女々しく歌ってロックだなんだ言う前にまず投票に行け。あと鬱陶しい前髪切れ。
Rock the Vote, 驚きのCM内容
ちょっとエッチだったり、日本だとアウトな内容が公共の電波で放映されている。
このリベラルなCM内容、言うまでもないがこの団体は、完全に現オバマ大統領率いる民主党(Democrat Party)寄りだ。その反対が、現在世界中から反感を買っているのがドナルド・トランプのいる、コンサバティブな共和党(Republican Party)である。
マドンナ
オカマのカリスマ&セックス・シンボルのマドンナ先生。90年代当初から両脇にセクシーゲイダンサーを構えて踊っている。同性愛問題も、今でこそ少し寛容になってきているものの、まだ日本では暗黙の了解でタブー視されているはず。しかし、米国では20年以上前にこのCMが許容されていた訳だ。メリケン共に「日本は10年遅れている(ドヤァ」と言われるのも無理ない。
"The freedom of speech is as good as sex.”
『言論の自由はセックスと同じ位イイ。』
…コレがテレビで放映されていたとは、非常に信じがたい。
エアロスミス
冒頭の動画。
「トップレスで庭の草刈りが出来る自由に投票」
「手錠を『仲良く』使うために投票」
「ホイップクリームを服(ブラ)として使う為に投票」
要約すると「女の子と合法的にエッチな事をするために投票」…かなりフザけた動機だが、ヤリたい盛りの十代や二十代が見るとなんだか面白そうだから、ノリで投票行ってみようかな?と思うかもしれない。
当初、セックス・ドラッグ・ロックンロールを象徴する活動を行っていたエアロスミスだからこそ、説得力がある。
そう、このおフザケ、敢えて狙っているのだ。政治&選挙に行く、という堅苦しい敷居を下げ、若者が気軽に選挙に行けるように動機付けるのが正にRock the Voteの目的。
マリファナ合法化の為に投票
最新版。残念ながらYouTubeや動画サイトのCMのみでテレビでは放映されていない。3分間のロングバージョン。地味にウーピー・ゴールドバーグがお母さん役で出演している。
学生ローン問題、女性の権利の訴え、同性愛への権利、地球温暖化問題など現在アメリカを揺るがせている問題解決に投票する!と主張のある中、衝撃なのが、このラッパー・Lil Jonの主張する「全米でのマリファナ合法化」だ。(動画、2:37〜)
日本のピュアなキッズ達には驚きの事実かもしれないが、アメリカの高校生や大学生の間ではマリファナが万延している。吸った事ある奴とない奴だと、吸った事ある奴の比率の方が高いだろう。特にバンドを始め、音楽をやっている連中の主食は99%マリファナとアルコールとピザだ。やってないストレートエッジは一度やり尽くした後に悟った解脱系男子が多い。最近は一部の州でも娯楽目的・医療用に合法化が認められ、規制が緩くなったものの未だに違法な州が殆ど。
そんなマリファナ大好きな若者を味方に付けようとするRock the Vote、目の付け所が良い。
また、曲もとてもキャッチーなので、この人聴いてみようかな?と思わせる魅力もありきで隙がない。
このキャンペーン、日本に置き換えると、横山健や降谷建志辺りが腕の刺青をガッツリ見せながら、刺青への市民権を民法のテレビCMで訴えてる様なもの。 想像しただけで胸が熱くなるが、お堅い老害が社会を牛耳る今の日本だど、まずありえないだろう。余談だが、アメリカでは大学教授や警察官も刺青が腕にバッチリ入っている人がたくさんいるので、刺青は問題視される以前の話である。
日本のオヤジ共はキャバクラやらノーパンしゃぶしゃぶやらSMクラブやら、夜の下半身活動は世界を圧巻する変態無法地帯なのに、肝心な所でどうでもいい規制が厳しい訳だ。そのワイルドさとエネルギー、国を動かす大事な所で生かしてもらいたい。要するにちゃんと仕事しろ、老害エロオヤジ共!
問題だらけのアメリカだが、このリベラルさと、国レベルでロックやヒップホップなど、イマドキの音楽を文化としてサポートしているのは是非とも見習いたい所。良くも悪くも、世界の未来を背負っているのは若者だ。自分の生活で精一杯、学校や会社に鬱になりながら、元カノを思い出してメソメソ落ち込みツイートするのに忙しくて、政治にまで頭が回らない若者なんて世界中どこだって同じ。
政治に無関心な若者をいかに上手に引き入れるか。音楽がただの娯楽でなく社会に役立つツールの一つとなり、より音楽へのリスペクトが高まる、一石二鳥のこのキャンペーン。日本でも是非取り入れて欲しい。日本も、もっと音楽と政治の距離が近くなれば良いのにと思う。