The twentiesが過小評価される二つの理由
世の中に「ちょうどいい」はほとんどない。ロシアの格言で
「ウォッカにちょうどいいはない。飲み足りないか、飲み過ぎかだ」
というやつがある。北国の格言は頭が悪くて良い。ジャストぴったし丁度というのは針の穴を通すようなギリギリのバランスでしかありえないのでほとんど実現されない。
バンドも過大評価、過小評価しかないと思う。というのも、売れたバンドには呼ばずとも人が飛びついてくるもので他のタレント業よろしく勝ったもん勝ち市場になっている。まだ売れてないバンドには必死に宣伝しても誰も寄り付かないのにね。
過小評価といったら真っ先に思いつくのがThe twentiesというバンド。底抜けにカッコいい、のだけどかっこよさに人気が全然伴ってないと思う。惜しい。悔しい。
というわけで今回はthe twentiesの紹介と共に、なぜ過小評価されているのか。そこについて考えたい。
エフェクトの効いたリードギターと強烈なドラムのビートパターン、が一口サイズにしたバンドの特徴。
音源もかっこいいけどライブはこの数倍。リズム隊が重くてタカイの声が突き抜ける。
孤児院育ち、ピアス屋勤務、国の補助金でギターを購入。
誰とは言わないけどよくあるバンドマンとかタレントの「昔いじめられてたんです〜」「苦労したんです〜」みたいなエピソードを鼻で笑って一蹴するようなマジのシリアス生まれ。九州大分、修羅の土地出身。
声問題
むかしむかしライブドアブログ全盛のインターネットでこの映像を見たのがThe twentiesを見かけた最初だった。
ダンスロックブーム以前からこの硬派なダンスビートを貫いていて、当時からしたらめちゃくちゃ新しかった。ライブバンドだし、実地的な評価も高かった。
個人的には本当に好きだし死角のないバンドだなと思うんだけれど人に聴かせたときの反応で最も多いのが
「声が」
という意見。菅田将暉の歌でも聴いてろバカ。
特徴的な声だなとは思う。好き嫌いもわかれそう。だけれどクセの強いものってなんでもそうで。パクチーに根強いファンがいるようにそのクセにハマるとドハマりするもんで、実際の所彼らのファンは熱心なファンが多い。
強みでもあるんだけれど、普段こういうバンドを聴かない人にとってはハードルが高いのかもしれない。どうですか。俺は好き。
毛問題
毛問題。
見ての通り毛が長い。
最近のバンド音楽のファン層は目で音楽を聴いている節がある。
紋切り型のマッシュヘアでないと聴く気すら示さないというか「あ、私たちに関係のない音楽〜」と通り過ぎられる。そのくせジャニーズのファンをバカにしたりするもんだから何がなんだかわからん。お前の正義、どこにあるんだ。
そんなわけで、ビジュアルも邦楽ロック層に媚びてないが故にライト層に敬遠されてる印象。かっこいいのに。
何ならバンドやってるんだから「コンビニ以外でバイトできません」ぐらいのドギツイビジュアルしてる方が俗世を捨ててる感があってかっこいいと思うんですけどね俺は。
声も毛も、慣れてしまえば長所でしかないんだけれどどうも邦楽ロック!ライブ参戦!音もだち!みたいな層には毛が邪魔して届かない様子。
でも良いフィルターなのかもしれない。どうでしょう。あなたには届きますでしょうか。
それでは。