祝、武道館公演 UNISON SQUARE GARDENの軌跡
ユニゾン武道館公演決定おめでとう!
UNISON SQUARE GARDENと言えばオリオン・タイバニ、そんな認識の人が多いのではないだろうか。
しかしそれで終わらせてしまうにはもったいない同バンド。
武道館という一つの区切りが定まったこの機会にもう一度、UNISON SQUARE GARDENというバンドの歴史をなぞりながら彼らの正体について考えてみようと思う。
メジャーデビューまで
4月 斎藤が「ギターロックをやりたい」と言って高校の時のバンド仲間田淵を誘う。
7月 ゆっくりと話を進め、やはり高校の時のバンド仲間鈴木を誘いバンド結成。
高校時代一緒にバンドをやっていたにもかかわらず、斎藤と田淵は全然仲良くなかったらしい。
そんな二人が結成に際して選んだドラムもなぜか同窓の鈴木貴雄。遠回りの末に元の位置に着地した形である。
そして臨んだ初ライブがYAMAHA主催のバンドコンペ、ティーンズ・ミュージック・フェスティバル。20組ほどのバンドが集まり2組が大賞に選ばれる、というもの。
本人たち曰く、集まって一週間程度でいきなり飛び込んだらしいがこれに驚異の一発合格。
ちなみにこのコンペで優勝したもう一組はNICO Touches The Walls。いきなり優勝したユニゾンもユニゾンだがYAMAHAの審査員の選球眼も大概だ。
そののち本格的な音楽活動を開始。
音源を売り切り、ワンマンを埋め、ライブハウスの人に「ベーシスト動きすぎ」と注意されながら、バンドマンドリームを地で征く着実な成功を積み重ね2008年にメジャーデビューを果たす。
そんな彼らのインディーズ音源。
スカスカのミックスと緩急の曖昧さからまだまだ拙さを感じるが、メロディラインと楽曲の転がり方は素人のそれとはまるで思えない仕上がり。田淵の作曲力恐るべし。
そして現世から数センチ浮いたような曲名と歌詞はこのころから全く変わらずである。
メジャーデビュー!しかし
数年でよくもここまで垢抜けたな、と思わされるメジャーデビュー一発目だ。
やはり田淵がよく動く、見切れる。
そして二作目。
僕の個人的な感想だが、ここで一旦完成しきってしまった印象だ。
前作まであった気取り過ぎな面、具体的に言えばセンチメンタルピリオドのAメロのやりすぎ感やBメロまでのクドさ等が抜け、彼らの楽曲のやるべきことを全てやり切っている。
素晴らしい出来だと思う反面、これ以上どうするの?と現在の王道を行く邦楽ロックとしての壁にぶち当たったようなアルバムだった。
事実その後しばらくユニゾンのプッシュも弱まり知名度の上昇も一旦落ち着いた風であった。
オリオンをなぞる
さてそれから二年後、彼らの知名度をぐっと引き上げたタイトル、オリオンをなぞるをリリース。
アニメの主題歌にユニゾンが抜擢されたと聞いて驚いたファンも少なくなかったはず。
しかし蓋を開けてみればアニメのヒットも手伝っての大成功。
新しい市場のファンを開拓した事がバンドとしての転機になったのは間違いないだろう。
さて楽曲としては?と考えたところ、決定的な違いは過去作と比べて圧倒的に精度が上がっているという点だ。
彼らのバンドとしての本質もここにあるんじゃないかと思われる。
普通のバンドUNISON SQUARE GARDEN
先ほど書いたように、彼らの音楽性はまさに王道を行く邦楽ロックだ。
しかし要するに裏を返せば"普通のバンド"である。
つまりそこらじゅうに転がり散らかしている何の変哲もないバンドだ。
先ほどから彼らの音楽をベタ褒め気味であったが、彼らのような楽曲を作り演奏するバンドは閃光ライオットをひっくり返して探せば驚くほどたくさんいるのである。
じゃあなぜ彼らが成功を収めたかと言えば、その精度が圧倒的に違うという点だ。
精度、バランス感覚と言ってもいい。
どのバンドにもあるような至らない点がほとんどないのだ。
王道邦楽ロックから逃げず突き詰めたからこそできる音楽だ。
2作目で邦楽ロックの壁にぶち当たったと書いたが、彼らはそのバランス感覚と精度でその壁を押し上げてしまっている。
彼らにしかできない普通のバンド、それがUNISON SQUARE GARDENの正体だ。
これから
王道を王道らしくやりつつ変化球も見せてくる彼ら。
武道館公演も決まりファンはますます目が離せないだろう。
個人的には田淵がどんどんアニメ、漫画といったカルチャーにどんどん傾倒していっている点も気になる。
オリオンの大成功からかアニソンへの楽曲提供の仕事も増えつつあるようでオリオンからユニゾンに入ったという人はそちらもチェックしてみてはいかがか。
頑張れユニゾン!がんばれ武道館!
それではまた次の記事で!
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