Acidmanをアルバムで選ぶなら断然コレAcidman - and world
みなさんご存じ、ロックバンドAcidman。1997年結成、歴だけ見ればそろそろ中堅から大御所みたいなところに差し掛かってきそうなあたりと思えるが、今でも一線で活躍している凄いバンドだ。
さて、Acidmanの名曲は?と聞かれたら、コレは色々悩んでしまうところで、初期なら”赤橙”は外せないところだし、個人的には"REMIND"無しでAcidmanは語れないし・・・コレに関しては十人十色の答えがあるだろう。
では、アルバム単位で一番良いのは、と聞かれたら・・・僕は断然"and world"、他にも良いアルバムは沢山あるが、ここだけは譲れない。
例えるならばフルコースの料理みたいなアルバムであると思う。前菜が出てきてメインディッシュが出てきて、ソムリエがワイン選んできて店の雰囲気は良いし、僕はそういう洒落たフルコースを食べたことはないが、多分そういう感じ。
一曲が料理の一品ならば、その料理の組み合わせ、コースでものを語るアルバム。
ということで早速"and world"の魅力、このコースのオイシイところを紹介していこう。
過渡期にリリースされたアルバム
今でこそAcidmanは日本のロックバンドで最も洗練されたロックを演奏するバンドの一つであるが、初期の頃は当時のパンクロックムーブメントやメンバー自身が若かったからだろうか、今より荒々しいというか、もっと衝動的な勢いで演奏するバンドであった。
"造花が笑う"とか聴いてもらえると雰囲気がつかめると思う。メンバーが誰も帽子を被っていないというAcidman的に異常事態が見れるのでお勧めだ。
とまあ、荒々しさがあったAcidmanが今のAcidmanへと変わっていく時期、前作のアルバム"eqaual"から見え始めていた世界観が完成したのが、今回紹介するアルバム"and world"である。
ACIDMAN - ある証明
Acidmanの代表曲”ある証明”もこのアルバム収録の一曲。ジャズで使うような洒落たコード、透明感のある音作り、幻想的・浮世離れしたような世界観。スリーピースバンドという限られた音数で表現する形態であるという縛りを全く感じさせない圧倒的サウンドスケープ。曲単位でもAcidmanの醍醐味が詰まった名作が沢山収録されている。それだけでも十分”買い”だろう。
あとネット上で試聴できないが、個人的には”夏の余韻”という曲を是非聴いてみて欲しい。曲自体は「夏の終わりの切なさ」のようなよくあるテーマなのだが、逆によくあるテーマだからこそAcidmanがどのように世界を見ているかがわかって面白い曲である。
アルバムの完成度が凄い
冒頭にも書いたが、このアルバム、例えるならばフルコースの料理である。もちろん一曲づつ聴いても良い曲ばかりだが、少々長めのアルバムではあるが是非アルバムを通して聞いて欲しい。
アルバムのアウトロとイントロがリンクする感じやintroduvtion~world symphonyなどといった曲間の繋ぎ、全体のコンセプチュアルな構成等々、一本の映画を見たような気分というか、音だけで構成した映画のような圧倒的なスケールを感じることができる。
そしてまた全体で聴いた時、とても良い具合のタイミングでインスト曲が挟まれるのも、このアルバムの良さの一つ。
元々Acidmanはインスト曲だけのアルバムを出してしまうくらい、インスト曲に力を入れる方のバンドであるが"and world"のインスト曲はその中でもめちゃくちゃ素晴らしい。このアルバムには2曲"SOL"と"water room"というタイトルのインスト曲が収録されているが、どちらも甲乙つけ難い。是非聞いてほしい以外のコメントが出ない。
ACIDMAN - World Symphony
こちらはアルバムの2曲目、1曲目のintroductionから繋がっており実質1曲目みたいな曲である。
余談だが、ギタリストの人は是非この曲を弾いてみて欲しい。もの凄いストレッチコードの連続で腱鞘炎まっしぐらだ。特にBメロが頭狂ってるとしか思えないほどエゲツナイ押さえ方を必要とする。最高。
音楽の内容的にも是非手に取ってみて欲しい作品であるのだが、補足として手に入るのであれば是非初回限定版をおススメしたい。
初回限定版はデジパック仕様(紙ジャケにプラスチックのケースが張ってある豪華版みたいなやつ)な上に歌詞カードに全収録曲をイメージしたアートワークが収録されている。
このアートワークがとても良くて、好きなCDジャケットを聴かれたらまずこの作品を挙げたいくらいだ。ジャケットまで含めて一つの作品なのだということがよくわかる。
ということで今回の記事はこのあたりで。
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